BY YUKIKO HIRANO

大根料理に赤ワインという新鮮な組み合わせ、ぜひお試しを!
冬野菜で主役級の存在感を放つ大根。おでん、煮物、鍋料理と寒い季節の定番料理に欠かせない。「おでんで熱燗も最高ですが、今回は目先を変えて赤ワインに合う料理をつくってみましょうか。白い野菜には白いお酒を合わせがちなのですが、トマトで煮込んだり、ポトフ仕立てにして、赤ワインに合う料理にしてみました。選んだのは、シルキーなカベルネフラン。旨味のある赤ワインの味は、大根料理をいつもと違った印象にしてくれます」(平野さん)
レシピ1:ぶり大根のトマト煮
サンドライトマトやローズマリーの風味が香るトマト煮込み。複雑なソースの味わいを赤ワインの風味が引きたてる。

下ゆでなしで煮る大根煮込み。オリーブオイルでしっかりと炒め、大根の風味をいかした煮込みに
<材料4人分>
ぶり4切れ、大根1/2本、にんにく1かけ、トマト水煮缶1缶、サンドライトマト2個、酒大さじ3、しょう油大さじ1と1/2、ローズマリー1枝、赤唐辛子1本、オリーブ油大さじ2、塩、こしょう
<作り方>
1 ぶりに塩少々をふっておく。大根は厚めに皮をむき、乱切りにする。サンドライトマトは水100mlで戻し、軽く水気を拭き1㎝幅に切る。
2 鍋にオリーブ油大さじ1を熱し、大根を加え、塩をふって中火で4〜5分、オイル蒸しにする。ふたをして時々かき混ぜながら、大根の表面が透き通ってくるくらいまで炒め煮する。
3 2の鍋に半分に切ってつぶしたにんにく、赤唐辛子、トマト水煮、サンドライトマト、戻し汁、ローズマリー を入れて30〜40分煮る。
4 フライパンにオリーブオイル大さじ1を熱し、1のぶりの水気を吹き、両面焼く。3の鍋に加えて、酒、しょう油を加えて5〜6分煮る。塩、こしょうで味をととのえる。
レシピ2:大根のポトフ
昆布だしと牛すね肉のかけ合わさった出汁が染み込んだ、体の芯から温まる味わい深い一皿。

フランス式では具材とスープはそれぞれ別に味わう。「肉を食べるときには、そのまま食べずに調味料をつけてくださいね」(平野さん)
<材料 4人分>
牛すね肉600g、大根2/3本、塩
A [昆布1枚、にんにく1かけ、ローリエ1枚、クローブ3〜4粒、粒こしょう小さじ1/2]
<作り方>
1 牛肉は塩小さじ1をすり込んでおく。大根は皮を厚めにむき、2~ 3㎝厚さに切り、透き通るまで水から20分を目安に下ゆでする。
2 鍋に水2ℓ、牛すね肉、[A]を入れて中火にかけ、沸騰したらアクをとる。ふたをして弱火にし、1時間30分煮込む。
3 大根、塩を加えてさらに20分煮る。塩、マスタード、ゆず胡椒、マスタードを添える。

一度冷やし、余分な脂を取り除くとよりクリアなスープになり、大根にも味が染みる
【今月のお酒セレクト:ハイウェイ エイト 2015トビー・ベインブリッジ】

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO
フランス・ロワール地方の平均樹齢40年のカベルネ フランからつくられたワイン。「未熟なカベルネフランはピーマンの香りがするともいわれますが、このワインはするする飲めるエレガントなワイン。柔らかい風味で飲み頃を迎えています。香りの奥に野菜を感じるようなニュアンスがあって、ほどよくライト。重くない赤ワインは和食や野菜料理によく合いますね」(平野さん)
平野由希子さんがナチュラルワインの定期便を開始!

平野由希子さんが主宰する料理教室cusine et vin が、ナチュラルワインの定期便コースを開始。隔月にワイン5~6 本、もしくは3本のスパークリングワインが届くメンバーシップコースで構成。お届けするワインにはどんな料理が合うか、などの情報も一緒に送ってくれる。
「空前のナチュラルワインブームですが、自分で選べないという方も多くいます。不安定な部分もあるナチュラルワインはワインの状態、ボトルを空けるタイミングもとても大切です。私とスタッフが試飲をして心からおいしいと思ったワインだけをセレクトしてお届けします」と平野さん。
「週末ごはん会に合うワインを選んでほしい」「ナチュラルな野菜料理に合うワインが飲みたい」などのリクエストにもお応えできるオーダーメード感覚のコースを目指しているのだそう。
平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。
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