ホテルジャーナリスト、せきね きょうこが独自の視点でおすすめの東京ホテルを案内。連載第15回めは「京王プラザホテル」。高層ホテルのパイオニアが100カ国以上のゲストを迎える理由とは

BY KYOKO SEKINE

「2021年には創業50周年を迎えます」と語るホテル広報のベテラン女性。その笑みからは、高い信頼を得、ゲスト・リピーターの絶えないホテルとしての自信と誇りが伝わってきた。1971年、周囲に高層ビルなど1軒もなかった新宿西口の再開発地区に、日本初の超高層ホテルとしてオープンしたのが「京王プラザホテル」である。都庁の移転が話題となったこの頃、未来を見すえた大がかりな再開発が始まり、いずれしゃれた外資系ホテルの誘致合戦も始まるだろうという、まさに西新宿ホテル激戦区の黎明期でもあった。

画像: 開業1971年、再開発が始まったばかりの西新宿地区の様子

開業1971年、再開発が始まったばかりの西新宿地区の様子

画像: 「京王プラザホテル」の外観。左が本館、右の棟が次いで建てられた南館

「京王プラザホテル」の外観。左が本館、右の棟が次いで建てられた南館

 現在、「京王プラザホテル」のホームページのトップ画面には、「“親しみやすいホテル”という称号こそ、本望です」という歯切れのいい言葉が掲載されている。つねに気どりのないスタッフが笑顔で対応し、ゲストと親密なホテルでありたいと願う、このホテルの思い入れを表した言葉だ。個人客の国籍は100カ国以上、本館・南館を合わせると全客室数は1,438室という大型ホテル。一般ゲストのほか、国際会議や学会も多く開催されるだけに、言語はもちろん、宗教や各国の文化習慣への対応もきめ細やかになされている。

画像: 最上級クラブフロアの客室は、高級感漂うシックなインテリア

最上級クラブフロアの客室は、高級感漂うシックなインテリア

画像: 新たに造られた「プレミアグラン」のクラブラウンジ。高層階の広い窓からの景色は、新都心ならではの醍醐味

新たに造られた「プレミアグラン」のクラブラウンジ。高層階の広い窓からの景色は、新都心ならではの醍醐味

 実は、「レディースプラン」なる女性特化型のうれしいプランを都内で実施したのも、ホテル婚礼用のチャペルを常設したのも、ここ「京王プラザホテル」が最初であった。高度経済成長期の日本において、やがて来る優雅な結婚式のセレモニーやグローバリズムを見すえ、日本ならではのホテルビジネスを牽引してきたファクトのひとつである。

画像: 本館に位置する「ユニバーサルルーム」。ゲストの状態に合わせて備品をカスタマイズする

本館に位置する「ユニバーサルルーム」。ゲストの状態に合わせて備品をカスタマイズする

 驚くべきは、グルメ・レストラン数の多さ。現在の全店舗数は22、そのうちホテル直営店舗は20カ所というから、現在では珍しいくらいの直営店舗の多さである。そして、どのレストランも実力ある料理長や総料理長が腕をふるい、お気に入りを支持する顧客がちゃんと通ってくる。

 2017年には、フランス料理界の重鎮で名誉総料理長の緑川廣親氏が、国際料理芸術「クープドール・マリウス・デュトレイ」で日本人初受賞の栄誉に輝いた。一方、ライブキッチンが好評のカジュアルな店、スーパーブッフェ「グラスコート」では待ち人の行列もできる。ワイワイ、ガヤガヤ、ランチどきには、ホテルのレストラン街とは思えないほどのにぎわいを見せる。また、ホテル自慢のバーテンダーである渡辺一也氏は、2011年の「現代の名工」受章に続き、2012年には黄綬褒章を受章。ホテル内のどこを訪れても“ゲストを満足させたい”と願う意気込が感じられる。これが、ホテルそのもののロングヒットにつながっているのだろう。

画像: 緑川名誉総料理長のレシピを受け継ぐ、フランス料理のひと皿

緑川名誉総料理長のレシピを受け継ぐ、フランス料理のひと皿

 2016年12月15日、近年の流れに沿うかたちで新たに加わったのが、45階のクラブフロア「プレミアグラン」である。クラブフロア滞在者のみに限られた専用のラウンジは、ダイニング、ライブラリーなど6つのゾーンが展開され、アートワークが惜しみなくほどこされたラグジュアリーな空間となっている。

画像: 本館7階のスカイプール。17×9メートル、平均水深1.2メートルの屋外プールは夏季のみ営業 PHOTOGRAPHS: COURTESY OF KEIO PLAZA HOTEL

本館7階のスカイプール。17×9メートル、平均水深1.2メートルの屋外プールは夏季のみ営業
PHOTOGRAPHS: COURTESY OF KEIO PLAZA HOTEL

日本の高層ホテルの先駆けとして開業し、間もなく半世紀が経過する。競争の激しいホテル業界で、大型ホテルとして多彩な魅力をたっぷり詰めこみ、東京のホテルらしい気どらない気遣いを提供し、人気を保ち続けている。長いあいだに培った信頼と、その価値を知る多くの人が足繁く通いたくなる色あせない存在感こそ、このホテルが100カ国以上のゲストを迎えている理由だろう。

京王プラザホテル (KEIO PLAZA HOTEL )

住所:東京都新宿西新宿2-2-1
予約電話: 03(5224)3333 
客室:全1,438室
料金:¥22,000~
(1泊1室2名の料金。サービス料・消費税別) 
 ※日によって料金が異なるため、要問合わせ
公式サイト

せきね きょうこ
ホテルジャーナリスト。フランスで19世紀教会建築美術史を専攻した後、スイスの山岳リゾート地で観光案内所に勤務。在職中に住居として4ツ星ホテル生活を経験。以来、“ホテル”の表裏一帯の面白さに魅了され、フリー仏語通訳を経て、94年からジャーナリズムの世界へ。「ホテルマン、環境問題、スパ」の3テーマを中心に、世界各国でホテル、リゾート、旅館、および 関係者へのインタビューや取材にあたり、ホテル、スパなどの世界会議にも数多く招かれている。雑誌や新聞などで多数連載を持つかたわら、近年はビジネスホテルのプロデュースや旅館のアドバイザー、ホテルのコンサルタントなどにも活動の場を広げている。
www.kyokosekine.com

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