ホテルジャーナリスト、せきね きょうこが独自の視点でおすすめの東京ホテルを案内。連載第28回めは、先入観を壊し、カプセルの常識を覆す「ナインアワーズ 赤坂」

BY KYOKO SEKINE

 宿泊業界の革命児となった「9h(ナインアワーズ)」。この珍しい名のホテルは、2009年、京都寺町に開業した「ナインアワーズ 京都店」に端を発する。「優れたデザインと使い勝手のよさで、従来の概念を覆すカプセルホテル」と掲げた、その潔く衝撃的なデビューは忘れもしない。当時、運営会社CEOの松井隆浩氏は、「2号店が間もなく首都圏に登場」と語っていた。

 もうひとり、現場で指揮を執る重要な経営スタッフがいる。ファウンダーでありコンセプターでもある油井啓介氏の語った言葉が、当時の取材ノートにこう記されている。「最初から、ホテルのサービスと比べようとは考えていません。眠りたい人が何も考えずに快適に眠り、朝には気持ちよく出発できること。汗を洗い流す1時間、睡眠の7時間、そして身支度の1時間――その9時間をここで過ごしていただくのが狙いです。私たちはナインアワーズを、カプセルホテルではなく"スリーピング・ハブ"と呼んでいます」

画像: 赤坂の中心地にありながら静かな一画に建つモダンな「9h」のビル ほかの写真を見る

赤坂の中心地にありながら静かな一画に建つモダンな「9h」のビル
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 2軒目は、2014年7月20日、成田国際空港第2旅客ターミナル駐車場棟B1に、成田空港初の“空港直結ホテル”として誕生した。2018年9月現在、開業している「9h」はすでに9か所を数える。その7番目となったのが今回ご紹介する、2018年5月10日開業の「ナインアワーズ 赤坂」である。建築・設計は平田晃久氏、ユニット数は168 室(男性80 室/女性88室)、ガラス窓の多い、抜け感のあるスタイリッシュな4階建てビルである。

画像: スリーピングポッドの並ぶ館内。プライバシーはきちんと守られ、中は優しいアースカラー。工夫されたポッドと快適なマットレスで安眠間違いなし! ほかの写真をみる

スリーピングポッドの並ぶ館内。プライバシーはきちんと守られ、中は優しいアースカラー。工夫されたポッドと快適なマットレスで安眠間違いなし!
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画像: 吹き抜けのある「9h」は初めての造り。空間が広く感じられ、圧迫感がない ほかの写真をみる

吹き抜けのある「9h」は初めての造り。空間が広く感じられ、圧迫感がない
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 地下鉄赤坂駅から徒歩で約4分、「ナインアワーズ 赤坂」1階の入り口を入った場所にはナインアワーズ初のテナント「GLITCH COFFEE BREWED@9h」が開業している。トレンディなコーヒー専門店として知られる「GLITCH COFFEE & ROASTERS」の出店である。多忙なビジネスマンにとって、朝、一杯の薫り高く上質なコーヒーはどれほどうれしいことだろう。産地由来の果実味を最大限引き出すというというこの店は、自家焙煎のシングルオリジンをハンドドリップだけで提供する、日本初のドリップスタンド(=BREWED)という形態。メニューはシングルオリジンのブラックコーヒーのみだ。このこだわりこそ、「ぜひナインアワーズに来て欲しかった」(油井氏)ゆえんだという。

画像: 新世代に大人気のコーヒー店「GLITCH COFFEE BREWED@9h」。1階のエントランスを入ると、レセプションのようにゲストを迎える ほかの写真をみる

新世代に大人気のコーヒー店「GLITCH COFFEE BREWED@9h」。1階のエントランスを入ると、レセプションのようにゲストを迎える
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「ナインアワーズ赤坂」でも他店同様、チェックイン時に室内着、ロッカーキー、タオル(タオルブランド内野の製品)、歯ブラシ、スリッパが手渡される。シャワー室に備えつけられたシャンプー、コンディショナー、ボディソープは、人にも地球にも優しい天然素材ブランドTAMANOHADAを使用。春から夏はミント、秋冬はフィグの香りを使うという。寝具のマットレスは異なる二種の樹脂を積層して体圧を分散する、ニッケ商事に特注したオリジナル品だ。

画像: パブリックの洗面所、シャワー室、トイレなどは清潔がモットー。キャビン同様、男女別の施設設計 ほかの写真をみる PHOTOGRAPHS: COURTESY OF NINEHOURS

パブリックの洗面所、シャワー室、トイレなどは清潔がモットー。キャビン同様、男女別の施設設計
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PHOTOGRAPHS: COURTESY OF NINEHOURS

 1店舗開業後の2010年には「グッドデザイン賞」を受賞。閉鎖的といわれた日本流カプセルホテルの概念を変えた、開放感のあるスタイリッシュなユニットはさらに存在感を増している。まさに都会を象徴するホテル「ナインアワーズ」は、今、海外からも大いに注目されている。

ninehours(ナインアワーズ)赤坂

住所:東京都港区赤坂4-3-14
電話: 03(5545)1565
客室:全ユニット数168室
料金:¥3,900~(1泊1名料金。税別)
一木町倶楽部朝食付きプラン¥4,300 
公式サイト

せきね きょうこ
ホテルジャーナリスト。フランスで19世紀教会建築美術史を専攻した後、スイスの山岳リゾート地で観光案内所に勤務。在職中に住居として4ツ星ホテル生活を経験。以来、ホテルの表裏一体の面白さに魅了され、フリー仏語通訳を経て、94年からジャーナリズムの世界へ。「ホテルマン、環境問題、スパ」の3テーマを中心に、世界各国でホテル、リゾート、旅館、および 関係者へのインタビューや取材にあたり、ホテル、スパなどの世界会議にも数多く招かれている。雑誌や新聞などで多数連載を持つかたわら、近年はビジネスホテルのプロデュースや旅館のアドバイザー、ホテルのコンサルタントなどにも活動の場を広げている
www.kyokosekine.com

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2018年10月10日(水)公開予定

 

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