雄大な穂高連峰を望む上高地帝国ホテル。日本初の本格的な山岳リゾートホテルとして愛され続ける理由とは─

BY HIROYA ISHIKAWA

画像: 赤を基調とした三角屋根が印象的な外観は、上高地の風景の一部として定着。多くの人々に愛されている

赤を基調とした三角屋根が印象的な外観は、上高地の風景の一部として定着。多くの人々に愛されている

 1891年に登山家でもあったイギリス人宣教師のウォルター・ウェストンが訪れてその美しさに感動し、著書『日本アルプスの登山と探検』(1896年刊行)で紹介したことで、国内外に広く知られるようになった山岳リゾートが上高地だ。3000m級の穂高連峰に囲まれたこの場所は、澄んだ空気、梓川の清流、大正池、明神池などが織りなす豊かな自然が魅力。中部山岳国立公園の特別保護地区であり、1927年に日本新八景に選定、翌年には国の文化財(名勝・天然記念物)にも指定されている。

画像: 清らかな水の色も美しい梓川にかかる河童橋。上高地のシンボル的なこの吊り橋から望む穂高連峰はまさに絶景だ

清らかな水の色も美しい梓川にかかる河童橋。上高地のシンボル的なこの吊り橋から望む穂高連峰はまさに絶景だ

 世界中の登山家をも魅了した風光明媚なこの場所に1933年、日本初の本格的山岳リゾートホテルとして開業したのが、上高地ホテル(現 上高地帝国ホテル)だ。スイスの山小屋をイメージした赤い三角屋根と丸太小屋風の外観が特徴的で、90年以上にわたり多くの宿泊客を迎えてきた。ホテルのシンボルである「マントルピース」(暖炉の上の装飾)を囲んでスタッフがフレンドリーな会話とともに点火セレモニーを行う「マントルピース点火式」や「動物レクチャー」など、山岳リゾートならではのコンテンツも用意。それゆえスタッフとゲストの距離が近く、アットホームな雰囲気でくつろぐことができる。

画像: 暖炉にかかる巨大なマントルピースが特徴的な吹き抜けのロビーラウンジ「グリンデルワルト」

暖炉にかかる巨大なマントルピースが特徴的な吹き抜けのロビーラウンジ「グリンデルワルト」

 1977年に木造建築から鉄筋コンクリート造に全面改築した際も、内外装は木造のイメージを継承。開業時とほぼ同様の姿を維持している。雪が降り積もり‒20℃にも達する冬季はおよそ5カ月間閉鎖されるが、その際はホテル館内の水をすべて抜き、寒さで起こる水道管の膨張・破裂の防止や、外壁や客室のベランダに使われている丸太の腐食具合を一つ一つ木槌で叩く点検を行なっている。万全のメンテナンスにより、上高地の美しい風景の一つとして自然と調和したホテル建築を守り続けているのだ。

画像: 客室は山小屋風やファミリー向け、ベランダつきなど10タイプが用意されている

客室は山小屋風やファミリー向け、ベランダつきなど10タイプが用意されている

画像: フランス料理を提供する「ダイニングルーム」をはじめ、日本料理の「あずさ庵」やバー「ホルン」など館内には趣向の異なるレストランやバー、ラウンジが5 カ所あり、飛騨牛など地元で親しまれている食材を使った料理や、帝国ホテル伝統のメニューなどを味わうことができる PHOTOGRAPHS: COURTESY OF IMPERIAL HOTEL

フランス料理を提供する「ダイニングルーム」をはじめ、日本料理の「あずさ庵」やバー「ホルン」など館内には趣向の異なるレストランやバー、ラウンジが5 カ所あり、飛騨牛など地元で親しまれている食材を使った料理や、帝国ホテル伝統のメニューなどを味わうことができる

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF IMPERIAL HOTEL

 2025年のテーマは〝美しき山岳リゾート「上高地」で過ごす、特別な休日を〟。滞在中は自然に溶け込みながら何もしない贅沢を味わうもよし。鳥のさえずりや川のせせらぎをBGMに周辺を散策しながら、自然林に囲まれた森の中で澄んだ空気をたっぷり吸い込むのもよし。ゆったりとした時が流れる上高地帝国ホテルだからこそのスペシャルな時間を堪能したい。

*予約開始: 2 月5 日(水)10時~ 営業期間:4 月26日(土)~11月14日(金)

お問い合わせ先:
4 月15日(火)まで 上高地帝国ホテル 東京事務所 TEL.03-3592-8001(月~金10時~17時)
4 月18日(金)より 上高地帝国ホテル 客室予約 TEL. 0263-95-2006(10時~17時)

公式サイトはこちら

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