東南アジアの現代アートにフィーチャーした大規模な展覧会が開催。アートの視点で捉えた東南アジアのダイナミズムを体感したい

BY MASANOBU MATSUMOTO

画像: ジョンペット・クスウィダナント(インドネシア) 《言葉と動きの可能性》 2013年 原動機のないモーターバイク、旗 サイズ可変 所蔵:森美術館、東京 PHOTOGRAPH BY MASANOBU MATSUMOTO

ジョンペット・クスウィダナント(インドネシア)
《言葉と動きの可能性》 2013年 原動機のないモーターバイク、旗 サイズ可変
所蔵:森美術館、東京
PHOTOGRAPH BY MASANOBU MATSUMOTO
 

 今世紀に入って以降、現代アートにとってアジアはきわめて重要なシーンとなってきている。

 クリスティーズのようなオークション会社が香港、シンガポール、バンコクへと進出し、パリの現代美術画廊ペロタンをはじめインターナショナルなアートギャラリーもアジアにスペースを構えた。スイス・バーゼルとアメリカ・マイアミで開かれていた世界的アートフェア「バーゼル」も、2011年より3つめの開催地として香港を選んでいる。アートマーケットは、あくまで資本主義の上に成り立っている。欧米中心主義ではうまく回らなくなった世界経済と同様に、アート市場もアジアの新しいパワーを求めたのだ。

 もちろん、これまでにもアジア美術をテーマにした展覧会は世界各地で開催されてきたし、美術館のキュレーターや研究者の多くは、アジア各地のアーティストを美術史の中に位置付ける作業をしてきた。そうした流れの中でもやはりアートシーン全体の中ではローカルであったアジア美術が、今世紀、世界のアートマーケットと“出会った”ことの意味は大きい。近年、アジア美術に対する世界の眼差しは、日本や中国、韓国だけでなく、“これから”のものとされてきた東南アジア諸国の現代アートにも、一層強く向けられはじめている。

 東京・六本木エリアの森美術館と新国立美術館で開催されている『サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで』は、そうしたアートシーンの「今」に触れる絶好の展覧会だ。

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