エルサ・ハンセン・オールダムは伝統的な刺しゅうに、皮肉っぽいひねりのきいたポップカルチャーのテイストをプラスして、独創的な世界を紡ぎ出す

BY MINJU PAK, PHOTOGRAPHS BY JEFF RICH, TRANSLATED BY FUJIKO OKAMOTO

画像: ダニエル・デイ=ルイスをフィーチャーした作品。彼の顔を囲むように主演映画のシーンが描かれている

ダニエル・デイ=ルイスをフィーチャーした作品。彼の顔を囲むように主演映画のシーンが描かれている

 エルサの創作プロセスやテーマの選び方は謎に包まれている。多くの作品には皮肉とユーモアというレンズを通して見たポップカルチャーや歴史、政治などのモチーフが融合されている。そして、対象を分析してアイデアを練りあげるというより、無意識から生まれてくるアイデアに従っているように思える。エルサによれば、実際の作業に集中することで、自然に湧きあがってくる“騒々しいほどの心の声”を鎮めることができるのだという。

 エルサは刺しゅうという作業をこう説明する。
「確かに手は動かすけれど、心は完全な無の状態になるのよ。本当に何も考える必要がないから」

画像: しばらく腰を落ち着けて 著名なアフリカ系アメリカ人たちを描いたキルト。タイトル「HowAbout Thank You」(仮称)はミュージシャンの夫ウィル・オールダムの曲から

しばらく腰を落ち着けて
著名なアフリカ系アメリカ人たちを描いたキルト。タイトル「HowAbout Thank You」(仮称)はミュージシャンの夫ウィル・オールダムの曲から

 今年の9月にエルサ・ハンセン・オールダムの個展が所属ギャラリーであるニューヨークのディキンソン・ラウンデルとイーストハンプトンにある画商ジョエル・メスラーの新設ギャラリーで同時開催される。

エルサはニューヨークを拠点に活動するコンセプチュアル・アーティストのトム・サックスのアシスタントをしていた頃、彼のスタジオで初の個展を開く機会に恵まれた。エルサの作品に魅せられた著名なアーティストはサックスだけではない。中国出身のアーティスト、アイ・ウェイウェイは、自分と西部の開拓者ダニエル・ブーンを並べてふたりの開拓者魂に敬意を表した彼女の作品をつい最近購入したばかりだ。

 

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