エルサ・ハンセン・オールダムは伝統的な刺しゅうに、皮肉っぽいひねりのきいたポップカルチャーのテイストをプラスして、独創的な世界を紡ぎ出す

BY MINJU PAK, PHOTOGRAPHS BY JEFF RICH, TRANSLATED BY FUJIKO OKAMOTO

 幽霊と暮らしていたことがあるというエルサ・ハンセン・オールダム。ニューヨーク州北部の彼女の家には、いたずら好きな少年と少女の幽霊が住みついていたという。あの世からやってきた幽霊に出くわすなんてぞっとするような話だ。ところが、エルサはごく当たり前の出来事のように淡々と話す。アートの世界で注目を集めている彼女のクロスステッチについても、同じように控えめで説得力のある口調で語ってくれた。

画像: 素晴らしいアート エルサ・ハンセン・オールダム(ケンタッキー州ルイビルのアトリエで)

素晴らしいアート
エルサ・ハンセン・オールダム(ケンタッキー州ルイビルのアトリエで)

 30歳のエルサはそのきゃしゃな体からは想像もつかないほどエネルギッシュに創作に取り組んでいる。エルサの刺しゅうによるタブローは天真爛漫でありながら緻密に計算され、素朴さの中に洗練された遊び心が感じられる。彼女の作品の多くには、フロイトの6段階の発達理論のようにカテゴリーに分類された人物が、アタリのゲームに出てくる8ビットの小さなキャラクターのように描かれている。

たとえば、スキャンダラスな編集者ラリー・フリント、立ったまま演奏することで知られるロックバンド「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」のドラマー、モーリン・タッカー、バスケットボールチーム「ハーレム・グローブトロッターズ」のカーリー・ニールの3人を「三ばか大将」になぞらえたり、女優のシェリー・デュヴァルとココ・シャネル、ジョン・F・ケネディの暗殺シーンとオリンピック選手飛び込みのグレッグ・ルガニスのダイビング中の流血事故、ハローキティと聖母マリアを並べて描いたりと斬新な分類を試みている。

 

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