BY KAORU SAITO, PHOTOGRAPHS BY TOSHIMASA OHARA
今年はいろんな意味でエポックメイキングな年だった。元日デビューのリンクルケア美容液は日本で初めてシワ改善効果を認められたものとなり、秋にデビューしたクリームは「まわりの人をも幸せにする美しさを!」と訴えた。言うなれば「見た目の若さ」と「内面からにじみ出る美しさ」両面で目覚ましい進化があったということ。どちらもポーラの製品だったのは象徴的だが、曖昧な進化ではなく一品一品が具体的な進化をとげ、実力を競う攻めの一年となったのだ。化粧品はすでに多くのアイテムが完成に近づいている。そんな中で、次にいったい何をつくるのか? そこに技術と感性と情熱、化粧品開発のすべてが試される。だからいよいよ新製品から目が離せなくなっているのである。
1. 薬機法が認めた“シワ改善”は
書面上じゃない。本当に効く!
世界一厳しい日本の薬機法が、ついに“シワ改善効果”を認めたことは10年に一度のビッグニュースとなったが、それ以上に驚きだったのが、実際のシワ改善効果。これまで薬機法はむしろ手続き上の壁が厚かったのだと考えていたが、ポーラがかなえた日本初の薬用シワケアを試してみて、従来のリンクルケアとの明らかな違いに目を見張り、こう思い直したのだ。日本の厚労省は“真の効き目”をこそ待っていたのだと。ポーラに続き資生堂も快挙を成し遂げたことも、たまたまではなく明らかに、今年は「化粧品でシワが消せるリンクルケア元年」になったことを物語った。ついにボトックスのいらない時代へ。
2. 真の開発力が問われる時代。
だからたとえば、イプサの台頭
化粧品全般が進化を競うようになるにつれ、言うなればブランドそれぞれの真の実力が試される時代となった。いま勢いあるブランドは、まったくオリジナルの製品を次々と発表し、開発力を見せつけている。それを明快に評価できる時代となったのだ。たとえばイプサ。ツーステップで毛穴を消すスキンケア、デザイン心理学に基づいた“潜在的になりたい自分”を色で提唱する口紅。そして自分の老化はどこからくるのか、その衰えタイプを測定したうえで選ぶクリーム─。まさしく前代未聞、誰も発想できなかった斬新な提案を次々になし遂げて、お見事!
3. デリケートゾーンケアがまさかの一大ブーム!
たちまち新常識ヘ
ビデが習慣化していない日本では、絶対に定着しないといわれていた女性の下腹部専用ケア。しかし今年、このデリケートケアがまさかのブームとなっている。いやそれ以前に、アンダーヘアをすべて処理する“VIO脱毛”が20代から30代の女性の新常識になっているという、大人にはまったくもって驚きの現実がある。究極のムダ毛処理をしたら、必然的にそこをやさしくきちんと洗浄し、ていねいにうるおし、香りづけもするという至れり尽くせりのケアも新しい習慣となってくる。一度始めるとやめられなくなるということも含め、これは瞬く間にニッポンの常識となるはず。急いでほしい。