メイクアップコスメがいまや驚くべき進化を遂げていること、あなたは知っているだろうか?

BY KAORU SAITO, PHOTOGRAPH BY MICHINORI AOKI

画像1: メイクアップコスメの進化は
「女の寿命」を変える
BY 齋藤 薫<Vol.3>

 まず聞きたい。あなたはメイクアップが得意だろうか? 苦手だろうか?
 私はあるとき、不可解な事実に気がついた。仕事では有能で知的な人ほど、メイクが苦手と訴えること。ほかのことはなんでも上手にこなすのに、メイクだけはよくわからないと......。そこにはふたつの理由があると思う。ひとつにメイクは、理屈ではないから。計算どおりにはいかないから。単純に、「メイクアップするほどきれいになるのに、ちょっとでもしすぎると汚くなる」みたいな予想外がたくさんあって、ゆえに学校の勉強ができた人ほど戸惑いがちなのだ。 もうひとつは、メイクアップこそ商品次第、道具次第だから。昔の化粧品は、今思えば未完成で粗悪であったから、メイクしはじめでいきなり苦手意識をもった世代はそのまま、自分はメイクが下手だと思い続けているはずなのだ。

 もちろんそれは思い込み。しかもメイクアップコスメが今や驚くほど進化を遂げていることに、メイクキャリアが長い人ほど気づいていない。裏切られ、苦しめられてきたから、化粧品そのものを信じていないのかもしれないが、メイクアップが今、どこまで進化しているかを知らないからこそ、苦手意識を持ち続けているのに違いないのだ。いや、スキンケアやファンデーションの進化はみんな知っている。本来、化粧品が電化製品のように進化しつづけるものなのは知っているのだ。しかしポイントメイクが現在のように高機能になっていることまでは、きっと知らない――。

 たとえば、一見、30年前のそれとまったく変わっていないかに見えるアイブロー・ペンシル。しかし今、その中身はまったく別ものになっている。ことに原型ともいえる鉛筆型、それなりに手間がかかる点では変わっていないけれど、鉛筆の芯にあたる部分は驚くべき進化を遂げている。昔のアイブロー・ペンシルはそれこそHBの鉛筆と大差ないほど硬くて発色しないものか、逆にクレヨンみたいに柔らかすぎて、ぺったりと貼ったような眉しか描けないか、どちらかしかなかったもの。50代から上の世代が、眉づくりを苦手としているのも、道具が未熟だったせいなのだろう。

 ジバンシイの最新作であるアイブロウ・ペンシルは、するするとなめらかに描けるのに発色しすぎない、しかも本来パウダーアイブロウでないと描けないようなふんわりした眉に仕上がるのだ。もちろん眉毛を一本一本描き足す繊細な仕事も得意。たった一本のペンシルでそこまでできてしまうのが、今なのだ。もちろん見るからに高機能な、“ペンシルとパウダーのダブルエンド” や、複雑なカラーパレットタイプのアイブロウも開発されているが、こうした昔ながらの木軸のペンシルのほうが、メイクアップ化粧品の驚くべき進化を思い知ることができるだろう。

 逆に、見た目の劇的な変化から、メイクアップコスメの進化の推移を読み取ることができるのが、たとえばYSLの口紅。よく見てほしい。口紅の中に唇が見えるはず。そのキュートな容姿だけでも即刻購入となるのだろうけれど、これは相当に高機能。唇マークの部分が唇の角質を染めるような独特の仕上がりで少女のような唇をつくる “ティント” タイプになっており、まわりはトリートメント効果の高い色つきリップバーム。だから、ティントを柔らかく包み込み、ほのかな発色と色モチとダブルの透明感、そして潤い—―つまり今の女性たちがリップメイクに欲しいものすべてを、そのスティックの中にそっくり搭載してしまったのだ。恐ろしく可愛いうえに、恐ろしく高機能! 若い子向けね、なんて侮ったら大損をする。

 さらに、何のアイテムかわからないほどデザインごと進化した “2色マシュマロ” のような極太スティックは、口紅とチーク、どちらにも使えるバイカラー。もちろん、塗りながらさまざまなバランスで色を混ぜることもでき、結果として無限の仕上がりをつくれるゴージャスな逸品なのだ。少なくとも口紅とチークを一本で代用できるほど、発色も密着力も品質もすべて向上した。可愛いだけではない、目覚ましい進化があるのも絶対に見逃さないで。

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