BY EMI ARITA
マルセル・ブロイヤーの「ワシリーラウンジチェア」
世界初のスチールパイプ椅子として1925年に誕生した「ワシリーラウンジチェア」。バウハウスの家具工房の教官を務めていた建築家・デザイナーのマルセル・ブロイヤーが、自転車のハンドルから着想を得てデザインしたもので、木製椅子が主流だった時代に、試行錯誤を重ねて生まれたスチールパイプの椅子は、軽量化、大量生産、低コストを叶えるとともに、近代デザイン史に多大な影響をもたらした。
曲げ加工を施したスチールパイプのフレームに革を張っただけ、という非常にシンプルな構造で、耐久性と美しいプロポーションを実現しているだけでなく、まるで体が浮遊するような快適な座り心地も、一度座ったら虜に。革のカラーは、ブラック、ライトブラウン、ホワイトベージュの全3色。
ノルジャパン
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ミース・ファン・デル・ローエの「MRサイドチェア」
バウハウスで最後の校長を務めた近代建築の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエが、1927年に行われたヴァイセンホーフ住宅展覧会で発表した「MRサイドチェア」。革張りの「MR10」とラタン(籐)張りの「MR20」をデザインし、その後5年の歳月をかけて、アーム付きなども加えたMRコレクションを手がけた。
「MRサイドチェア」は、ミース・ファン・デル・ローエが、スチールパイプを素材にした初期の作品。カンチレバー特有の弾力性と浮遊感のある座り心地も快適だ。革張りの「MR10」は、モダンな空間にも似合う、スタイリッシュな佇まいが魅力。革のカラーは、ブラック、ライトブラウン、ホワイトベージュの全3色。
ノルジャパン
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ル・コルビュジエ×ピエール・ジャンヌレ×シャルロット・ペリアンの
「フォートゥイユ ドシエ バスキュラン」
1928年に、ル・コルビュジエと、彼の従兄弟のピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアンが共同でデザインを手がけた「フォートゥイユ ドシエ バスキュラン」。スチールパイプのフレームと革張りのシートと背もたれ、というシンプルな構造ながら、完璧なプロポーションで魅了する20世紀モダンファニチャーのアイコン的存在。その姿には「住宅は住むための機械である」と言葉の通り、無駄な装飾を排し、機能性を追求したル・コルビュジエのデザイン哲学が体現されている。
座る姿勢に応じて背もたれが可動するため、ゆったりとくつろぐラウンジチェアにも最適。フレームに厚革を掛けただけのアームも、使い続けるほどに自分好みに程よくしなり、快適さも増していく。フレームはクロームメッキとブラック塗装の2種。革部分は、子牛毛革のほか、無地の厚革など豊富なバリエーションからセレクトできる。
カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
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アイリーン・グレイの「ロクエブリューン」
「ロクエブリューン」は、アイルランド出身の女性建築家・デザイナーのアイリーン・グレイが、1932年にデザインした知る人ぞ知る名作。フランスにある自身のセカンドハウスのテラス用の椅子として、当時注目を集めていたスチールパイプをいち早く取り入れデザインしたもので、すっきりとした美しいフレームラインで魅了する。
デザインした当初はブルーのキャンバス地を張り地にしていたが、その後、屋内向けに張り地を革張りに変更。奥行きを深めに取った座面によって、体をしっかりと支えくれる座り心地の快適さと、コルセットのようにレースアップされた後ろ姿も魅力。革のカラーは、ブラック、ホワイト、グレー、コニャックの全4色。
FLYMEe(フライミー)
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高濱和秀の「ツル」
「ツル」は、イタリアの家具メーカー「シモン」においても数々の名作を手がけた、デザイナーの高濱和秀が1968年にデザインした椅子。スチールパイプよりも細身のスチールロッドをフレームに用いた初期の作品であり、すっきりとしたシャープなフレームによる軽やかな佇まいが印象的。
美しく、華奢なフレームには、程よく柔らかいシートクッションを合わせ、くつろぎのひとときを演出。フレームは、クロム、ゴールド、ガンメタル、ブラック、ホワイトの全5種。シートも豊富なカラーと素材からセレクトできるため、インテリアに合わせてコーディネートを楽しめる。4脚までスタッキングも可能。
カッシーナ・イクスシー 青山本店
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