2017年2月に開催されたニューヨークコレクションで話題だったこととは?

BY MALINA JOSEPH GILCHRIST, ANGELA KOH AND ISABEL WILKINSON, TRANSLATED BY TOMOHI HATA

9. マーク ジェイコブス史上もっとも静かなショーで、大きなメッセージを表現

画像: マーク・ジェイコブス ©MARC JACOBS

マーク・ジェイコブス
©MARC JACOBS

 マーク ジェイコブスのショーでは、開始を合図する音もなく、ランウェイとバックステージを遮るカーテンもなし、ドラマティックなセットを照らすライティングもない。実際、セットと言えるものはなかった。ただ折りたたみ式のチェアによる長い2列が、互いに向き合うように並べられていただけ。大仕掛けなエンターテインメントとシアトリカルなランウェイで、ニューヨーク・ファッション・ウイークのトリを飾る存在として期待されているマーク ジェイコブスだが、今季はそれらをカットした。招待するゲストの数も絞り、さらにショー最中のSNSも禁止。従来の威風堂々とした空気感の中ではなく、パーク・アベニュー・アーモリーの無人となったフロアにモデルを送り出した。意図するところは、ニューヨークでヒップホップカルチャーがビジュアル的にアイデンティティを獲得した時代を反映する服と、そのアティチュードに意識を集中してもらうこと。ゲストが会場を出るときに目にしたのは、折りたたみ式チェアに腰掛けたモデル。彼女たちは携帯をゲストに向けていた。そのレンズを通して、ニューヨーク・ファッション・ウイークが幕を閉じた。

10. ニューヨークのアップカミングなデザイナーは特に面白い

ニューヨークのアンダーグラウンドな才能は、毎シーズン勢いを増している。一握りのインディペンデントなデザイナー、たとえばエコーズ・ラッタ、ヴァケラ、エスター・ガウントレット、エリックシュ・ロスバーグ、シャン・ハックらは服と自分たちの友人についてのショーを開催する。だから私たちも彼らのことをまた見たいと戻ってくるのだ。彼らは、若く、クリエイティブなオーラをニューヨーク・ファッション・ウイークにもたらす。それは、多くのデザイナーがパリでコレクションを発表するためニューヨークを離れている今だからこそ、必要なものだ。

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