BY MALINA JOSEPH GILCHRIST, ANGELA KOH AND ISABEL WILKINSON, TRANSLATED BY TOMOHI HATA
5. ファッションショーパーティがいかに特別なものか
多くのデザイナーが、ショーというよりはよりパーティに近い形でコレクションを発表した2017-18年秋冬シーズン。ラグ&ボーンは、コレクションのフォトエキシビジョンを開催、その後に行われたトム・ヨークのDJによるダンスパーティには多くのセレブリティが詰めかけた。バハ イーストはギルデッドリリーで深夜にパーティを開催。フィリップ プレインのショーでは、ナズがショーのオープニングを飾った(パフォーマンスはキルズ)。アレキサンダー ワンはかの有名なアフターパーティを開催しなかったものの、ランウェイショーそのものがまるでアフターパーティのようなショーを開催。エントランスではビールが振る舞われ、ヒップホップが爆音で流れる中、ゲストはスタンディングのままショーが進行した。
6. ザ・ロウはひっそりと抗議しているようだった
声高に意見すればするほどより多くの関心を得られる現在において、ファッション業界で何がパワフルなのかを理解することは、いささかトリッキーだ。ニューヨーク・ファッション・ウイークで1番インパクトがあったザ・ロウのケースを挙げてみよう。そこには何のギミックもなく、あったのは、デザイン性の高い良質の服だけ。リッチー・ヘブンスの『フリーダム』が流れる中、メアリー・ケイト&アシュリー・オルセンは、完璧なまでにミニマルなコレクションを披露した。実は、“Hope(希望)”、“Freedom(自由)”、“Dignity(威厳)”というメッセージが白いシャツに小さく縫われていたのだが。