2018年春夏
ロンドン・メンズ・コレクション
総まとめ

What You Need to Know From London Fashion Week Men
6月12日まで4日間にわたって開催されたLondon Fashion Week Men’s。実力ある新進ブランドの台頭をチェック!

BY ELIZABETH PATON, TRANSLATED BY CHIHARU ITAGAKI

画像1: クレイグ グリーン

クレイグ グリーン

過去最高の出来だったクレイグ グリーン

 コレクション最終日に行われたクレイグ グリーンのショーは素晴らしい出来だった。これを見れば、彼が昨年の12月に、英国ファッション協会のブリティッシュ・メンズ・ウェア・デザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞した理由もわかるというものだ。

 ヴィクトリア朝時代の鉄道橋のたもとで開催されたショーのテーマは、衣装を旅の道具――自分探しの旅のための地図にみなすというもの。クレイグ グリーンの特徴的な柄や記号を地図代わりに、自己表現のための小道を見つけようというわけだ。そこで登場したのは、ハイテク生地でできた凧のような構造の黒いスポーツウェア。立体裁断のデニムパンツやリブ素材のウィンドブレーカー、着ている人をカッティングするようなラインが引かれたトップスも。

画像2: クレイグ グリーン

クレイグ グリーン

画像: クレイグ グリーン PHOTOGRAPHS BY TOM JAMIESON FOR THE NEW YORK TIMES

クレイグ グリーン
PHOTOGRAPHS BY TOM JAMIESON FOR THE NEW YORK TIMES

 続いてはカラフルな色の洪水。ヤシの木や太陽の日差しのイラストが、しわだらけのごわごわした生地に鮮やかな色で描かれていた。デザイナーによると、これは楽園へのアドベンチャーをテーマにしたものなのだそう。そして、裾が長くのび、フードはさらに大きくなった、評判を呼んだ一連のローブジャケットが最後に登場。制服と万人に共通の衣服という、このデザイナーが変わらず追及しているテーマがそこには見てとれた。一部の観客からは拍手喝采が沸き起こった。

 クレイグ グリーンのアイテムの中でもっとも奇抜なアイテムを見れば、リドリー・スコット監督が自らの最新映画『エイリアン:コヴェナント』のコスチュームデザインのコラボレーションを彼に依頼した理由もすぐにわかるだろう。そしてもっとも控えめなアイテム、例えばデニムパンツやTシャツ、完璧なカッティングのワークジャケットを見れば、このブランドが成長と拡大を続けている理由もまた簡単にわかるはずだ。今やクレイグ グリーンの服は、ドーバーストリートマーケット、バーニーズ ニューヨーク、セルフリッジズなどでも取り扱われている。

 これこそがライジングブランドの証し。30歳のクレイグ・グリーンは、ロンドンメンズウェア界の希望の光に違いない。

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