BY LINDSAY TALBOT, TRANSLATED BY FUJIKO OKAMOTO
「右の写真は2020年春夏コレクションのため、ナイロビ郊外の吹きガラス職人グループと共作したイヤリング。このグループの代表者ナニ・クローズは、地元民が生活費を得るための新しい仕事を創出し、また現地初の“シュタイナー学校”を設立した人物。左の写真はグループの職人によるモザイクガラス。私がワークショップで訪れたときには、屋根から猿が侵入。ビーズをキャンディと間違え、そこらじゅうに投げ散らかしていた」
「去年の12月、今シーズンの広告キャンペーンの撮影のため、スペインのセビリアに。そこで現地の伝統衣装にすっかり魅了されてしまった。この帽子は、偶然見つけた創業120年の店で購入したもの」
「スイスの陶芸家、クリスチャンヌ・ペロションのトレイの上にあるのは、私がほぼ毎日身につけているアンティークジュエリー。特にジョージ王朝やエドワード王朝時代のダイヤモンドが好き。ネックレスと右上の指輪は1830年代の英国製。中央の彫金のイヤリングはインドのミッドセンチュリーのもので、見た目によらず軽量。ほかは約300年前にクロアチアのダルマチアで作られたもの」
「2020年春夏コレクションのファーストルック。胸元にドレープをきかせた黄土色とコーラル色のドレスで、インドの職人が貝殻の刺しゅうを手で施している。ビーズのバッグもマサイ族の女性たちのハンドメイド。ネックレスはジュエリーデザイナー、グレイン・モートンとのコラボレーション。このコレクション製作の原動力となったのは、人とのつながり。ここ数年、世界中で分断が起こるなか、ファッションがそれを良い方向に変えるきっかけになればいい」