BY KIMIKO ANZAI, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO
“世界最高峰のカーヴ”として、ワインファンの憧れと信頼を得ているのがパリの歴史あるフレンチ・レストラン「ル・タイユヴァン」。サルヴァトーレ・ダリやマリア・カラスなど、著名人たちの華やかなエピソードに彩られた名店だ。そして、その「タイユヴァン」が手がけるワインショップ「レ・カーヴ・ド・タイユヴァン」は、現在、パリとベイルート、そして東京と、3店舗を展開している。
「レ・カーヴ・ド・タイユヴァン東京」は、昨年9月、日本橋髙島屋にオープン。「ここに行けばファイン・ワインに出会える」という安心感から、着実に固定ファンを増やし続けている。
これら全店を統括するのが、総支配人のアントワーヌ・ペトリュス氏だ。名ソムリエとしても名高く、ワインの仕入れや品質管理からサービスまで、日々細やかに心を配る。なかでも気になるのは、“ゲストが楽しんでいるかどうか”だという。
「レストランというのは、“幸福のストーリー”が生まれる場所。先日も、100歳を迎えたおじいさまとご家族が長寿のお祝いでカーヴにいらっしゃいましたが、おじいさまが100歳とは思えない若々しい足取りでレストランの階段を上がる姿を拝見して、非常に幸福な気持ちになりました」とエピソードを披露してくれた。
ペトリュス氏は続ける。「ワインも、幸福な時間に欠かせないものです。ですから私たちが『レ・カーヴ・ド・タイユヴァン』で心がけているのは、ベストなテロワールを反映するつくり手のワインを、ベストな状況で保管し、提供することです。ワイン好きのお客さまは、当店に絶対的信頼を寄せてくださっていますので、そのことに責任を負うのが私の仕事だと思っています」
じつはペトリュス氏は、ワインのみならず料理にも精通する。スタートはソムリエだが、「ワインを深く知るためには、料理を学ばなくてはならない」と厨房にも入ったこともあるという。また、休日には生産者のところにも足しげく通い、ワインづくりのリアルな現場に触れてきた。当時、よく通っていたローヌの「シャトー・ラヤス」、シャンパーニュの「ジャック・セロス」とは、今も強い信頼関係で結ばれている。
日本において、「レ・カーヴ・ド・タイユヴァン東京」はどんな店でありたいかと尋ねると、明確な答えが返ってきた。
「パリと同じクオリティをもつ店でありたい。そのためには、自分たちと同じ“精神的DNA”のエッセンスを注ぎ込まなくてはならないと考えています。ワインは、人と自然が関わって生まれた素晴らしいもの。ワインを飲むときには、その裏に隠されたストーリーまで知っていただけたらと思います。私たちは、そのお手伝いができれば幸せなのです」
レ・カーヴ・ド・タイユヴァン東京
住所:東京都中央区日本橋2-4-1 日本橋髙島屋S.C. 本館8階
営業時間:
ワインショップ10:30~22:00
カフェ&バー 11:00~22:00(LO 21:30)
定休日:日本橋髙島屋S.C. に準じる
電話:03(3211)4111(日本橋髙島屋S.C.代表)
公式サイト