TEXT&PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO
100年続く老舗店も多いが、新しい店も次々オープンする京都。今月はオープン間もないのに早くも話題の新店を紹介。第1弾は「洋食屋なかご」をご案内します。
清水五条「洋食屋なかご」
ハンバーグを見て、「むむ、もしやこれは?」と思われた方がいれば、それはかなりの京都通!「洋食屋なかご」は、2019年に惜しまれつつ閉店した「ビストロ セプト」の料理長・松本奈火吾さんが開かれた店であり、細長い形のハンバーグにたっぷりのマッシュポテトを添え、黒々としたデミグラスソースがかかったスタイルも、「ビストロ セプト」譲りだ。
「洋食おがたのハンバーグかと思った」という方もご名答!「ビストロ セプト」は、全国からグルマンが訪れる上等洋食「洋食おがた」のシェフ緒方博行氏が、2007年のオープン時から料理長を務めていた店である。緒方さんと「洋食屋なかご」松本奈火吾さんは、今から20年以上前、長崎「ホテルヨーロッパ」で上柿本勝シェフの元、共に研鑽を積んだ兄弟弟子であり、松本さんは店を開く前は、サービスを学ぶため、「洋食おがた」で半年間働いていたそう。
ハンバーグは、牛肉、豚肉共に粗挽きを使用し、肉々しい食感に。「ビストロ セプト」時代より豚肉の分量を増やし、肉の旨みをしっかり感じつつ、ふんわり感も備わった。牛肉をはじめ、香味野菜や鶏ガラを使い、10日間じっくり火入れして作るデミグラスソースは、サラッとしているのにコクと旨みが凝縮していて、絶品。皿に残ったソースを、最後に付け合わせのマッシュポテトで拭うように絡めていただくのもお楽しみ。
昼はハンバーグをはじめ、カツレツやポークジンジャーなど、セットで気軽にいただけ、夜はアラカルトをシェアするスタイルに。
「高坂地鶏のカツレツ デミグラスソースとタルタルソース」や「極上 大人のナポリタン目玉焼きのせ」など、自慢のデミグラスソースを使ったメニューもいろいろ。
王道の洋食メニュー以外に、季節の食材を使った一品やビストロ的前菜もそろい、ワインをはじめ、ハイボールや自家製ジンジャーエールを使ったモスコミュールなど、アルコール類も豊富で、お酒をお酒を飲みながらゆっくり食事が楽しめる。
路地奥の京町家を使った店内は、2階まで吹き抜けになった通り庭もそのままに、京都らしさも感じられる。1階はオープンキッチンのカウンター席になっていて、目の前で料理ができあがっていく行程を見ることも。お隣さんに運ばれたメニューにも目移りしっぱなしだ。
洋食屋なかご
住所:京都市下京区松原通御幸町西入ル石不動之町682-4 もみじの小路
営業時間:11:30~14:30(13:30LO)、17:30~23:00(21:00入店)
定休日:水曜、木曜不定休
※予約がベター
TEL. 075-600-9655
公式サイトはこちら