京都生まれ、京都育ちの食いしん坊、京都でおいしいものに出合いたければ、この人に聞けばハズレなし!そんなアマジュンこと天野準子の絶品満腹口福アドレス。今月は、旅行者も行って楽しいスーパーマーケットを紹介。第2弾は「フレンドフーズ」へ

TEXT & PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO

下鴨「フレンドフーズ」

画像: 惣菜コーナーで販売されている「井上佃煮店」の万願寺唐辛子昆布100gあたり¥441、いかみょうが酢100gあたり441¥、えび豆100gあたり¥280

惣菜コーナーで販売されている「井上佃煮店」の万願寺唐辛子昆布100gあたり¥441、いかみょうが酢100gあたり441¥、えび豆100gあたり¥280

 京都屈指の高級住宅街、下鴨に店を構えるスーパーマーケット「フレンドフーズ」。碁盤の目(京都の中心部)暮らしの私には、日常使いできる近さではないが、北の方に出かける用事があると「やった、帰りにフレンドフーズに寄れる!」と、楽しみになっている。
 1977年創業。今でこそ”安心・安全”を打ち出す店は多いが、1990年代から安心・安全・おいしいをコンセプトに商品を展開していて、例えば米酢は、国産原料、木樽仕込み、静置発酵のもののみをセレクトするなど、商品の選定には、ジャンルごとに厳しい基準が設けられている。
 最近は全国どこのスーパーに行っても、ナショナルブランドが幅を利かせ、同じようなラインアップだったりするが、「フレンドフーズ」では、一般的なスーパーでは見かけない商品も多く、行く度に目移りしっぱなし。

画像: ご当地調味料を選ぶのも楽しい。大正7年創業、京都人に愛される「オジカソース」

ご当地調味料を選ぶのも楽しい。大正7年創業、京都人に愛される「オジカソース」

 冷蔵コーナーには、「久在屋」の豆腐や「あらいぶきっちん」の薄揚げ、「半兵麩」の生麩が並んでいたり、メイドイン京都な商品も多く、最近は旅行者も増えているそう。

画像: 国産有機・無農薬大豆と天然にがり100%で作る京都・長岡京市「あらいぶきっちん」のおぼろとうふ¥346、煮炊き物に使うと味がしっかり染むおあげさん¥227、大豆の味が濃く、塩だけで食べてもおいしい「久在屋」の本豆腐¥442

国産有機・無農薬大豆と天然にがり100%で作る京都・長岡京市「あらいぶきっちん」のおぼろとうふ¥346、煮炊き物に使うと味がしっかり染むおあげさん¥227、大豆の味が濃く、塩だけで食べてもおいしい「久在屋」の本豆腐¥442

画像: 老舗蕎麦店のにしん蕎麦を家で再現。創業560年を数える「本家 尾張屋 本店」の宝来そば¥475、にしん姿煮¥756、かけそばに使える濃縮うすだし、ざるそば用のつゆにぴったりな濃縮こいだし各¥648

老舗蕎麦店のにしん蕎麦を家で再現。創業560年を数える「本家 尾張屋 本店」の宝来そば¥475、にしん姿煮¥756、かけそばに使える濃縮うすだし、ざるそば用のつゆにぴったりな濃縮こいだし各¥648

 注目すべきは調味料コーナー。予約が取れない「洋食おがた」監修の生姜やきのたれや肉ビストロ「ハンター」のスパイスなど、地元の飲食店が手がける調味料が種類豊富にそろっている。

画像: 左から香港飲茶「星街」のXO醬¥2,160、「伊根満開」でお馴染み、京丹後の酒蔵「向井酒造」の赤米酒粕を使った「小野甚味噌醬油醸造」の酒ひしお¥890、「洋食おがた」の生姜やきのたれ¥616

左から香港飲茶「星街」のXO醬¥2,160、「伊根満開」でお馴染み、京丹後の酒蔵「向井酒造」の赤米酒粕を使った「小野甚味噌醬油醸造」の酒ひしお¥890、「洋食おがた」の生姜やきのたれ¥616

  そのほか、京丹後の山奥に薪窯を構える「弥栄窯」のパンや「京甘藷」のいもけんぴ、「ズーセスヴェゲトゥス」のバウムクーヘン、「焼き菓子工房コレット」のタルトタタンなど、京都の人気店(しかも売れ切れ御免の小さな個人店)のパンやスイーツが月に数回や不定期で販売されていて、セレクト力に驚かされる。 

 また、忘れてはならないのが惣菜コーナー。化学調味料や防腐剤、安定剤は不使用。京都のだしの老舗「うね乃」による特製ブレンドのかつお節と昆布で出汁を取り、上質な鶏ガラからスープを取り、惣菜を作っていく。

画像: 錦市場で愛された「井上佃煮店」の惣菜がズラリ

錦市場で愛された「井上佃煮店」の惣菜がズラリ

 2020年からは、135年の歴史に幕をおろした錦市場の惣菜店「井上佃煮店」の味が復活。
「井上佃煮店」は2019年末に閉店したが、「フレンドフーズ」3代目藤田俊さんが「地元の方に愛される味をどうにか残してほしい」と猛烈にラブコール。2020年から店の2階にある調理場で「井上佃煮店」の店主が以前と変わらず商品を作ることになったという。
「いかみょうが酢と万願寺唐辛子昆布が特に好きです。家族に食べられちゃうので、いつも3個ずつ買って帰ってます」と、藤田さん。
 私も、錦市場にあった頃から、甘酢にショウガのアクセントが効いたいかみょうが酢はマストで買っていた大好きな惣菜。そのほかも甘酢にしんやぬた和えなど、昔懐かしい京都のおばんざいが楽しめ、京都旅中、外食疲れした時のホテル食や京都旅の帰路についた後の家ごはんにおすすめだ。

画像: 地元・下鴨マダムだけでなく、遠方からも食通がわざわざ訪れるスーパー

地元・下鴨マダムだけでなく、遠方からも食通がわざわざ訪れるスーパー

「フレンドフーズ」
住所:京都市左京区下鴨北園町10-6
営業時間:10:00〜21:00
定休日:無休(1/1〜1/3を除く)
TEL. 075-722-0451
公式インスタグラムはこちら

画像: 天野準子 生まれてこの方、碁盤の目と呼ばれる京都の街中暮らし。雑誌やWEBで京都にまつわるライティングやコーディネートを行っている。プライベートでは、強靱な胃袋を武器に日々、おいしいものをハント

天野準子
生まれてこの方、碁盤の目と呼ばれる京都の街中暮らし。雑誌やWEBで京都にまつわるライティングやコーディネートを行っている。プライベートでは、強靱な胃袋を武器に日々、おいしいものをハント

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