オープンキッチンから繰り出される繊細で“食べ心地のいい”料理が人気のフレンチレストランが、人気の自家製パンや焼き菓子を製造販売するショップをオープン

BY JUNKO ASAKA, PHOTOGRAPHS BY YUKO UEHARA

 都内のおいしいもの好きから熱い支持を集めるフランス料理店が池尻大橋にある。その名も「Lien(リアン)」。フランス語で“つながり”を意味する店名のとおり、開放的でシンプルなオープンキッチンとカウンター席とのあいだで気さくな会話が行きかう、居心地のいい店だ。ランチは前菜6品・メイン6品から、ディナーは前菜16品(!)・メイン12品・デザート12品から好きなものをそれぞれ選べるプリフィクス・スタイルも人気の理由だろう。

 長年通うファンのひとりは「選べるメニューが豊富でいつも迷ってしまう。アミューズ、前菜二種、メイン、デザートのコースでも5,000円とリーズナブル。にもかかわらず、新鮮な食材、一皿一皿の絵画のような盛り付け、焼き加減、提供温度、食感、塩加減……すべてパーフェクト! 少なくとも月に一度は行きたい店」と絶賛を惜しまない。

画像: 「リアン」「プリヴェ・ド・リアン」そして新しい「ラトリエ・ドゥ・リアン」のオーナーシェフである上原浩一氏。店で扱う食材は、出身地の青森からのものを中心に、長野県の農場から無化学肥料・無農薬で栽培された野菜やハーブなど。料理のおいしさだけでなく、気取らない店の雰囲気が多くのファンをつかんでいる

「リアン」「プリヴェ・ド・リアン」そして新しい「ラトリエ・ドゥ・リアン」のオーナーシェフである上原浩一氏。店で扱う食材は、出身地の青森からのものを中心に、長野県の農場から無化学肥料・無農薬で栽培された野菜やハーブなど。料理のおいしさだけでなく、気取らない店の雰囲気が多くのファンをつかんでいる

 2014年オープンの「リアン」、2016年開店の「プリヴェ・ド・リアン」という2軒を率いるのは、オーナーシェフの上原浩一氏。西荻窪の老舗フランス料理店「サン・ル・スー」を経てフランスへ、さらに日本で三ツ星レストランのシェフのもとで修業。その後独立開業する際には、店のコンセプトとして「誰もやっていないこと」を第一に考えたという。「その日の体調によって食べたいモノ、食べられる量ってみなさん違いますから。お客さまが量も内容も自由に構成できる、普段使いのできる店にしたかったので、プリフィクス・スタイルにしました」

 一方で、記念日や会食できちんとしたコースを食べたいという日もある。そんなニーズのためにつくったのが、もう一軒の「プリヴェ・ド・リアン」だ。こちらは少量多皿の完全お任せのコースのみ。完全個室もあり、席数を抑えてゆったりした空間の中、「リアン」と同じ値段でいろいろなものが食べられるのが魅力。フランスワインや国産ワインのリーズナブルなペアリングメニューも充実している。

画像: 小さめサイズのブリオッシュ。プレーン¥450(右)はコーヒーと合わせて朝食に、砂糖でコーティングしたブリオッシュ・シュクル¥¥480(左)は紅茶と合わせておやつにも

小さめサイズのブリオッシュ。プレーン¥450(右)はコーヒーと合わせて朝食に、砂糖でコーティングしたブリオッシュ・シュクル¥¥480(左)は紅茶と合わせておやつにも

 それぞれの店で必ず出されるのが、店の代名詞的な自家製ブリオッシュ。温めると芳しいバターの香りが立ち、噛めば北海道産小麦粉の骨太な味わいが口中に広がる。「フランスでは、バゲットやパン・ド・カンパーニュなどいろいろなパンがある中、ブリオッシュだけは店で焼くレストランが多いんです。ソーセージを入れて焼いたり、パンというより前菜、ひとつの料理ですね」と上原シェフ。保存料を一切使わないリアンのブリオッシュは、2日で食べきれる程度の小さめサイズなのも愛らしい。

 この人気のパンのほか、同じく定番の「フォアグラアイススティック」や、店でドレッシングやソースに加えるという英国産の手作りジャムなどを販売するショップ「ラトゥリエ・ドゥ・リアン」が、この5月末にオープンした。店内の大部分を占める厨房では忙しくスタッフがパンを焼き、リアンのオープンキッチンがそのままショップになったかのように活きがいい。

画像: リアン名物の「フォアグラアイススティック」1本¥320。カリカリと香ばしいくるみ&アーモンドのキャラメリゼの中には、ひんやり濃厚なフォアグラムースが。5本入り¥1,800、10本入り¥3,500(いずれも箱代込み)もあり。冷凍品で日持ちがするため贈答品にも喜ばれるそう

リアン名物の「フォアグラアイススティック」1本¥320。カリカリと香ばしいくるみ&アーモンドのキャラメリゼの中には、ひんやり濃厚なフォアグラムースが。5本入り¥1,800、10本入り¥3,500(いずれも箱代込み)もあり。冷凍品で日持ちがするため贈答品にも喜ばれるそう

画像: 店の奥、大部分を占める大きなカウンターキッチンが目を引く「ラトゥリエ・ドゥ・リアン」の厨房。店内にはいつもブリオッシュやパウンドケーキを焼くいい匂いが立ち込める

店の奥、大部分を占める大きなカウンターキッチンが目を引く「ラトゥリエ・ドゥ・リアン」の厨房。店内にはいつもブリオッシュやパウンドケーキを焼くいい匂いが立ち込める

 レストランに来るゲストが予約時に注文しておき、おみやげにすることも多いという「フォアグラアイススティック」は、ムース状にしたフォアグラをカットし、砕いてキャラメリゼしたくるみとアーモンドをまぶしたもの。パウンドケーキは自家製ブリオッシュを粉砕した粉100%で焼く完全オリジナルで、いずれ劣らぬこだわりぶり。もちろん、味も保証付きだ。「でも、こだわるときりがないので、みなさんに気軽に買っていただける価格ありきで、“こだわりすぎない”ことも気をつけました(笑)」

 このアトリエは、ショップでもあり、リアンの味を広く発信していくための製造拠点でもある。レストランで従来受けていたケータリングサービスも、この厨房ができたことでさらに充実していく予定だという。

画像: 店内で販売されるパンや焼き菓子は今後順次増やしていく予定。商品の一部は「リアン」のHPからも購入可能

店内で販売されるパンや焼き菓子は今後順次増やしていく予定。商品の一部は「リアン」のHPからも購入可能

L'ATELIER de LIEN(ラトリエ・ドゥ・リアン)
住所:東京都目黒区青葉台3-13-14 1F
電話:03(6455)1152
営業時間:11:00~20:00
定休日:月曜日
公式サイト

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