命はその人だけのもの? それとも、家族の一部でもあるのだろうか。オークワフィナ演ずる主人公が、余命わずかの祖母から受け継ぐ大切な心のあり方とは――

BY REIKO KUBO

画像: © 2019 BIG BEACH, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

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 今年2月のアカデミー賞授賞式で、ナタリー・ポートマンの黒いケープに注目が集まった。彼女は、今年素晴らしい映画を発表しながら、アカデミー賞にスルーされた女性監督の名をケープに刺しゅうして抗議したのだ。そこには『ルーム』『ムーンライト』など、話題作を発信しつづける注目の映画会社「A24」が発掘した『フェアウェル』のルル・ワン監督の名もあった。前哨戦のゴールデングローブ賞でアジア系女優として初めて主演女優賞を受賞したオークワフィナが、ノミネートされなかったことも物議を醸した。

 アジア系アメリカ人のラッパーで、『オーシャンズ8』(’18年)や『クレイジー・リッチ』(’18年)で女優としてもブレイクしたオークワフィナが『フェアウェル』で好演する主人公は、ニューヨークに暮らすビリー。職もなく家賃も滞納、ままならぬ人生に悩むある日、彼女は中国に住む祖母がガンで余命3カ月と知る。従兄弟の結婚式を口実に、家族は祖母のもとに集まるが、祖母に病気のことは内緒。祖母に真実を伝えるべきと訴えるビリーは、黙っていられないなら来てはならぬと両親に命じられるが……。

“個人の命はその人のもの”という西洋の価値観と“人の命も家族の一部”と祖母を案じる中国系の家族。狭間で揺れながら、祖母から大切な心のありようを受け取る彼女の成長は、国や文化を超えて心の潤いと明日への勇気を運んでくれる。

画像: 映画『フェアウェル』予告 © 2019 BIG BEACH, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

映画『フェアウェル』予告
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『フェアウェル』
2020年10月2日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか、全国ロードショー
公式サイト

 

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