BY YUMIKO FUKUI, PHOTOGRAPHS BY YUMIKO FUKUI
星野リゾートが2017年4月に伊豆・伊東にオープンさせた「星野リゾート 界 アンジン」。その名は、この伊東の地で日本初の西洋式帆船を造船した三浦按針(ウィリアム・アダムス)にちなんでいる。もちろん温泉のお湯はいいし、食事もおいしいのだが、この宿に魅せられる一番の理由は客室だ。全45室すべてがオーシャンビュー。この開放感は素晴らしい。

最上階にある展望デッキは船の甲板がモチーフ

目の前には伊東オレンジビーチ~伊東漁港が。遠くには真鶴半島が望める
「オーシャンビュースイート」では、実際に活躍していた船の舵や櫂などを使用したアートワークが、ありがちな和モダンとは異なる雰囲気を醸し出している。リビングスペースとベッドスペースがそのアートワークで仕切られ、眼前にはフルで太平洋。まぶしく青い海、夕暮れのグラデーション、月の夜、水平線の朝焼けまで刻一刻と移り変わる空と海の光景を、遮るもののない迫力で堪能できる。

「オーシャンビュー スイート」のリビングスペース。
部屋に備え付けのドリップコーヒーはオリジナル

リビングスペースの大きな窓の外には、一面の海が広がる

客室からの眺望。モーニングコーヒーを楽しみながら、海から昇る朝日を眺めるのもいい。早起きしてぜひ
特筆したいのは、ベッドスペース。オリジナル寝具をしつらえたローベッドは、人数に合わせて増減が可能だ。こちらの客室は最大定員4名なので、4つまで入れられるとのこと。エキストラベッドではなく、同じ寝具のため、どこで寝ても雲のような寝心地を味わえる。77㎡の客室に広々1~2人で滞在するもよし、ファミリーやグループで滞在するもよし。まさに日本旅館とホテルの機能性のハイブリッドといえる。

「オーシャンビュー スイート」のベッドスペース。
同じ寝具が並べられるため、意外に部屋選びに困る3人滞在のときにも安心