BY KYOKO SEKINE
飛ぶ鳥を落とす勢いで開業の続く「三井ガーデンホテル」というホテルブランド。今度の開業は、2019年9月26日、銀座5丁目の一角に建つ「三井ガーデンホテル銀座五丁目」である。さらに、その後の11月22日には「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」が開業し、オリンピック・パラリンピックを前に、新国立競技場の真ん前に、特別感を漂わせ堂々たる姿で営業を始めている。都内では現在12軒が肩を並べるホテルブランドである。
それぞれに“真っすぐな印象”のある三井ガーデンホテルズは、「記憶に残るホテル」「感性豊かなお客様の五感を満たすホテル」とのブランド・コンセプトを掲げている。デザインもそれぞれに違い、地域性(都心の場合も街に見合う)もあり、機能性も高い。しかし、こうした条件なら他の異なるブランドホテルも掲げている項目だろう。ゲストへのもてなしやサービスなど目には見えない部分、理屈ではない感性の部分に踏み込むと、一般的な「宿泊主体型ホテル」よりもグレードはしっかりと保たれ、高級感も感じられる。ここ銀座5丁目でも、尖った内装デザインに走らず、個人客が静かに寛いで滞在できるよう配慮が行き届いているのだ。こうした総合的なことが利用者の信頼につながり、三井ガーデンホテルズが開業以来35年の長きにわたり、利用者に愛され続ける理由となっている。ホテルの軸はやはり”人”にあり、最後にはスタッフと客との対話が、リピーターを生むかどうかのポイントなのである。
「三井ガーデンホテル銀座五丁目」の全客室数は338室、都市型ホテルとしては中規模である。宿泊主体型と謳うとおり、客室の造りに工夫が込められている。全客室のうち91室が揃うモデレートダブルにはじまり、ベッドが3台置かれたトリプル、ミキモトのアメニティを備え琉球畳の敷かれたデラックスツインなど、それぞれに異なる客室の意匠がゲストの選択肢を広げている。
ホテル自慢の宿泊者専用大浴場(男女別)には、坪庭の緑を見ながらゆったりと浸かれる大きな浴槽が造られている。旅疲れの観光客、仕事疲れのビジネスマン、風呂愛好家の女性たちにも、都心でこれだけ広くゆとりある大浴場の存在は嬉しい。
三井ガーデンホテルズでは食事にも力を入れ、テナントとして厳選されたレストランがメインダイニングとして店を構えている。ここ、三井ガーデンホテル銀座五丁目のレストランは、創作和食ダイニング「SHARI」という名で、朝食、ランチには新創作和食やロール寿司を、夕食には神戸牛の鉄板焼きなどを提供。「SHARI」と言う名も東京らしい。店舗名から想像が広がり、食べる前から“美味しそうなご飯”が楽しみになる。リーズナブルな料金も銀座ではありがたい。ランチタイムには周囲のオフィスで働く女性グループや、歌舞伎座や新橋演舞場などに観劇に来る多くの外来客なども訪れ、テーブルはいつも賑わっている。
特に、“五感で四季を感じる創作和食”と謳った人気の朝食メニューには、9種類のおかずが並ぶ和朝食膳、彩り鮮やかなロール寿司朝食膳、スタンダードな洋朝食膳などと共に、鉄板コーナーで焼かれるフレンチトーストや焼き胡麻豆腐の揚げ出しに、フレッシュなサラダバーが揃うハーフビュッフェが人気だ。朝から、目で楽しみたっぷり味わう美味しい食事は、活力のみなぎる幸せな1日の始まりとなる。
三井ガーデンホテル銀座五丁目
(MITSUI GARDEN HOTEL GINZA GOCHOME)
住所:東京都中央区銀座5-13-15
電話:03(6226)5131
客室数:全338室
料金:¥14,300~(1泊1室2名の室料。消費税・サービス料込み)
公式サイト
せきね きょうこ
ホテルジャーナリスト。フランスで19世紀教会建築美術史を専攻した後、スイスの山岳リゾート地で観光案内所に勤務。在職中に住居として4ツ星ホテル生活を経験。以来、ホテルの表裏一体の面白さに魅了され、フリー仏語通訳を経て、94年からジャーナリズムの世界へ。「ホテルマン、環境問題、スパ」の3テーマを中心に、世界各国でホテル、リゾート、旅館、および関係者へのインタビューや取材にあたり、ホテル、スパなどの世界会議にも数多く招かれている。雑誌や新聞などで多数連載を持つかたわら、近年はビジネスホテルのプロデュースや旅館のアドバイザー、ホテルのコンサルタントなどにも活動の場を広げている
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