会社設立からわずか3年で、新製品が軒並みヒットを続ける“異端”の化粧品会社「FLOWFUSHI」。創業者2人が語る、その躍進の秘密とは

BY KAORI TATSUMI, PHOTOGRAPH BY MICHINORI AOKI

 採算を度外視して製品を作り、型破りな経営方針をとりながらも、うまくいく。その秘密はいったい、どこにあるのだろうか。
「理由があるとすれば、それは僕たちが、製品を買ってくれるお客さまと常にイコールだから。やみくもに『自分たちが面白い』だけで突き進んでいるわけではないんです。Function(機能性)とFashion(ファッション性)とFun(楽しさ)。FLOWFUSHIが掲げるこの3つのFを大切に、女性が喜ぶもの、真に価値あるものを作っていれば、失敗するはずがない。それが本来、商売の原点ですよね。なのに会社が大きくなるにつれてさまざまな思惑が生まれ、結果、誰のために物作りをしているのかを見失いがちになるんだと思います」(今村さん)

 だからユーザーの声として確認できるものは、WEB上はもちろん、すべてに目を通す。ダメ出しをされたら、レスポンスもする。「その不満の中に、必ず次の開発のきっかけになるヒントがありますから。『アイライナーがにじむ』というひとことがきっかけで、ある原料を排除した結果、リニューアルして飛躍的によくなったこともありました。100人いたら答えも100通りと思うかもしれないけれど、僕は本質はひとつに集約できると信じているんです」(今村さん)
 もうひとつ、ファウンダーのふたりが男性であることも、FLOWFUSHIの強みだと語る。「
自分たちには好みがないから、フラットに製品を見ることができる。だからひとりの意見にも耳を傾けられるんです。自分にとっての“完璧”があると、それが世界最高の基準になってしまうから」(今村さん)

 ただし、女性ひとりひとりが自分の中に正解をもっていて、「たったひとつに集約することは無理」と降参したのが、9本のラインナップが揃う最新の"モテマスカラ"。開発には3年を要したという。
「アイライナーのように圧倒的な機能性だけでは全員を満足させることができないと気づき、このラインナップにたどりつくまでは苦労の連続でした。この9本は、マスカラを選ぶ女性の心理までも考慮してマスカラを定義し直した、現時点でのFLOWFUSHIからの回答です。ちゃんと整理してみたら、女性たちは主体性をもって直感的に好みのものを選んでくれることがわかり、狙いどおりだったとほっとしています」(今村さん)

 この9本の発表と同時に、あらゆる女性がワクワクしながら美しくなることを願って、「きれいを、ひらく。」という新たなコーポレートフィロソフィを打ち出したFLOWFUSHI。彼らがいま見つめているのは、世界だ。
「日本人と欧米人では違いもありますが、多様なニーズに応えることで技術も向上するし、日本人にとってもよりよいものができるはず。この根拠のない自信、われながらちょっと引くけれど(笑)、たったひとつにすべてを注げば、世界的にもどこにも負けないものが絶対に作れる、と確信しています」(今村さん)

 効率を重視して収益を求める「企業主体の考え方」が主流だった時代は終わりを告げ、「本質を見つめた丁寧な物作り」に目が向きつつある、と語る今村さん。FLOWFUSHIはこれまで、こだわりに満ちた、いっさい妥協のない製品を驚くほど手頃な価格で提供し、化粧品業界を揺るがしてきた。ユーザーの声を緻密に拾い、情報戦にも抜かりなく戦略をめぐらせながら、無邪気なまでにまっすぐ「すべての女性をきれいにする」「誰も見たことのないもの」を追い求める。その挑戦は今、確かに新たな価値を生み出そうとしている。

  

問い合わせ先
フローフシ
TEL. 03(3584)2624
公式サイト

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