母と息子が生み出す天然の香り。
フレグランスブランド
「ORMAIE」

Brand to Know: A Line of All-Natural Perfumes, Made by a Mother and Son
「ORMAIE(オルメ)」のマリー=リーズ・ジョナックとバティスト・ブイグが目指したのは、人工的な香料を用いずにひとつの香りをつくること。最終的にできあがったのは、7つのフレグランスだ

BY HILARY MOSS, PHOTOGRAPHS BY JOANN PAI, TRANSLATED BY CHIHARU ITAGAKI

 今では、ブイグとジョナックは正式にブランドを立ち上げている。それが「ORMAIE(オルメ)」だ。天然香料のみからつくられた7つのフレグランスを取り揃えている。18カ月間、思い描く香りを開発するため、ふたりは香水の原材料を専門に扱う数少ない調香師の元を行き来した。「卵も小麦粉も牛乳も使わずにクッキーを作れと頼むようなものでした」とジョナックは説明する、「だけど本物のクッキーの味がしないとダメ、ってね」。「僕らが探し求める香りに到達するためには、何百回にも及ぶ修正が必要だった」とブイグが加える。この過程で、彼はフランスの田舎にあるさまざまなジャスミンやバラの農場を回った。いずれは、原材料すべての生産地を尋ねようと考えている。

画像: 「オルメ」のフレグランスは7つとも、人工的な香料を使用せずにつくられている。 ニューヨークのスペシャリティストア「 BARNEYS NEWYORK 」で独占発売中

「オルメ」のフレグランスは7つとも、人工的な香料を使用せずにつくられている。
ニューヨークのスペシャリティストア「BARNEYS NEWYORK」で独占発売中

 彼は同様のこだわりをパッケージの細部にまで注いだ。「母がシャネルの香水『No.5』を、ボトルが素敵だからという理由で買ったことが忘れられません」とブイグ。「オブジェとして美しいと思ってもらえるような、戸棚の奥に隠す必要のないものをデザインしたかったのです」。ボトル本体はサステイナブルなガラスメーカーによる製作で、キャップは再生可能な森林から伐採したブナの木を削ってつくっている。そして包装箱とラベルは、ファインアート・プリントを手がける著名な印刷スタジオ「アンプリムリ・ドゥ・マレ」によるものだ。さらにブイグは、作家で写真家のギヨーム・ドゥ・サルデスに依頼して、ブランドのマニフェストを書いてもらった。

 彼らのフレグランスは、フレッシュでシトラスなもの(ともにレモンとベルガモットの香りの「28ディグリーズ」と「レ・ブリュム」)から、重層的で非常に具体的なものがある。ツンとしたリコリスの香りの「パピエ・カルボン」は、かつてフランスの学校教師が使っていたカーボン紙を彷彿させる、子どもの頃の思い出の香りだ。

「トイ・トイ・トイ」は舞台に出てパフォーマンスをする前に唱える幸運のおまじないから名前をとった。これはウッディでワックスのような香りで、パリ・オペラ座やボリショイ・バレエのイメージだ。「リヴリー・ブルー」は重いバニラとラムの香りで、ポール・ゴーギャンやアンリ・ルソーの描いた、魅惑的な熱帯地方の絵を思い起こさせる。

画像: 男性用フレグランスにオマージュを捧げた「ル・パサン」。そのラベンダーの香りは、ブイグにとっては父親の記憶を呼び覚ますものだ

男性用フレグランスにオマージュを捧げた「ル・パサン」。そのラベンダーの香りは、ブイグにとっては父親の記憶を呼び覚ますものだ

 だが、おそらくブイグとジョナックのいちばんのお気に入りであり、彼らのファミリービジネスの主軸商品となっているのは、「ル・パサン」と「イヴォンヌ」だ。このふたつは、クラシックな男性用フレグランスと女性用フレグランスを、このブランドらしく解釈したもの。ラベンダーの香りの「ル・パサン」は、ブイグにとって、いつもラベンダーのコロンをつけていた父を思わせるものだ。

そして「イヴォンヌ」は、ローズとレッドフルーツの香りをミックスしたもので、ジョナックの母親の名前からとっている。「ぼくにとって香りと言えば、おばあちゃんの石鹸の香り。そしてそれを理解し、言葉にして調香師に伝えることのできる唯一の存在が、ぼくの母なのです」とブイグは言う。

 イヴォンヌ本人の反応はといえば、いかにもおばあちゃん的だったそうだ。「この計画を彼女に一生懸命に説明したんだ。あなたは永遠に不滅な存在になるんだよ、って」と、彼はそのときのことを思い出す。「そしたら、おばあちゃんときたらこう言うんだ、『あなた、痩せすぎね。もっと食べなさい』って!」

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