BY MIYUKI NAGATA, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO
クリーム+パウダーで作った深みのある目元に合わせるのは、黒ではなくカラーマスカラ。「アイシャドウがダークなぶん、マスカラはカラーにして、重くならないようにしています。カラーマスカラというと若い人向きのイメージがあるかもしれませんが、アイシャドウと同じく“黒の奥に色を感じる”仕上がりなので、色だけが浮くことはありません」。光が当たるとまつげがほんのりと色づき、ソフトなカラーニュアンスを楽しめる。
さらにRUMIKOさんの思いが詰め込まれたアイテムが、ブラシと一体型のリップカラーだ。「クリック式の製品の場合はふつう、テクスチャーをやわらかくするんです。そうしないと詰まってしまうから。でも私はセミマットな、ちょうど口紅をブラシで丁寧に塗ったような感じに仕上がる製品にしたかった。だから筆の本数や内部の機構を見なおして、固くても詰まらないようにつくっています」
ちなみに同じブラシ一体型でも、回して出すタイプならテクスチャーが固くても問題はないのだそう。しかしRUMIKOさんはクリック式にこだわった。「回すには両手が必要。でもリップを塗るときって、鏡を持つことが多いでしょう? 片手で塗れるというのは譲れない条件でした」
これまで多くのメイクアップアイテムを生み出してきたが、製品作りに際しては「ほかのブランドは見ないし、人の意見もあまり聞きません(笑)」とRUMIKOさんは言う。「自分が最初にイメージしたものに、どれだけ近い製品を作るか。それが私の仕事というか、使命だと思っているので。だから絶対に妥協しないし、『ま、いいか』とは思わないようにしている。そういう私に最後まで付き合ってくれる開発チームにはとても感謝しています」
アイシャドウの話を聞いている途中で、RUMIKOさんはパウダーの“粉飛び”について触れた。ブラシに取ったとき、周囲に粉が散るのはありえない――と。その理由を聞いて、ハッとした。「その時点で周囲が汚れるということは、まぶたにつけた瞬間から粉が落ちるということ。まぶたは常に動いているから、密着しないシャドウは絶対に落ちる。だから粉飛びする製品ではダメなんです」
なるほど、この人はメイクで女性が美しくなるために、何が必要で何が必要でないかを知り尽くしている。だからこそ、彼女の作るコスメは私たちの心をしっかりとつかむのだ。インタビューの最後に、RUMIKOさんは「大人の女性はもっとメイクを楽しんだほうがいい。絶対おしゃれになりますから」と言っていた。アンプリチュードが目指すのは“かっこいい大人美”。それは意外と簡単に叶うのかもしれない。RUMIKOさんが作る化粧品がこの手の中にあれば。
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