ちまたで評判の化粧品の背景には、人知れぬ開発の苦難がある。なぜすごいのか、どうすごいのか? 誰よりもそれをいちばんよく知る開発者に迫るインタビュー連載。第5弾はポーラの革命的美白「ホワイトショット LX」「ホワイトショット MX」

BY MIYUKI NAGATA, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO, PORTRAIT BY TOMOKO SHIMABUKURO

 美白医薬部外品成分として、およそ10年ぶりに厚生労働省に承認されたPCE-DP(ピース ディーピー)。その美白メカニズムは、メラニンの生成や受け渡しの抑制といった従来の美白の考え方とは一線を画す、私たちの想像すら超えたまったく新しいものだった。開発に携わった佐々(さっさ)祥子さんに、誕生までの話を聞いた。

「20年前にルシノールが発売されたその瞬間から、次の美白有効成分の開発は始まっていました」と佐々さん。ルシノールはポーラ化成工業が開発し、1998年に承認された美白医薬部外品成分で、メラニンをつくる酵素チロシナーゼに先回りして、黒色化を防ぐ働きがある。「手前みそで恐縮ですが、ルシノールはとても優れた美白効果を持つ成分で、これを超えるものはなかなか見つかりません。目の前に“ルシノールの壁”が立ちはだかり、研究は行き詰まっていました」

画像: 佐々(さっさ)祥子さん ポーラ化成工業 フロンティア リサーチセンター所属。2010年に入社してすぐPCE-DPの開発に携わるとともに、2018年には化粧品界のオリンピックと言われるIFSCC世界大会にて、筋肉が美肌に関与しているという新知見の発表者に名を連ねるなど、精力的に研究を行う

佐々(さっさ)祥子さん
ポーラ化成工業 フロンティア リサーチセンター所属。2010年に入社してすぐPCE-DPの開発に携わるとともに、2018年には化粧品界のオリンピックと言われるIFSCC世界大会にて、筋肉が美肌に関与しているという新知見の発表者に名を連ねるなど、精力的に研究を行う

 しかしある日、流れが変わる。のちに日本で初めてシワを改善する効果が認められることになる成分、ニールワンの開発が一段落つき、そのメンバーが美白のチームに加わることになったのだ。「美白のチームがいかにメラニンをつくらせないか、を狭く深く追究していたのに対し、シワ研究のチームはもっと広く、肌を俯瞰で捉えていました。その視点を取り入れ、新たな手法で研究を進めることになったのです」

 その手法とは、実際の皮膚と同じように複数の細胞を組み合わせた皮膚モデルを作成し、紫外線で黒くなった肌への効果を検証するというもの。「この皮膚モデルで約7400種類の候補となる素材のスクリーニングを行い、見いだしたのがPCE-DPです。しかし複数の細胞を組み合わせた皮膚モデルならではなのですが、美白効果があるのは確かでも、どこにどう効いているのかはまだわかっていませんでした」

画像: ホワイトショット LX (医薬部外品)<150ml>¥11,000 PCE-DPは、ホワイトショットの化粧水と乳液に配合されている。ベーシックアイテムでエネルギー美白を行うことで、肌本来の働きを高めるとともに、ルシノールを配合した美容液やクリームとの合わせ使いもしやすい。白濁した化粧水は、肌に溶け込むようになじんで浸透する「マイクロフィラー感触」

ホワイトショット LX (医薬部外品)<150ml>¥11,000
PCE-DPは、ホワイトショットの化粧水と乳液に配合されている。ベーシックアイテムでエネルギー美白を行うことで、肌本来の働きを高めるとともに、ルシノールを配合した美容液やクリームとの合わせ使いもしやすい。白濁した化粧水は、肌に溶け込むようになじんで浸透する「マイクロフィラー感触」

 このPCE-DPの作用メカニズムの解明を命じられたのが、当時入社したばかりの佐々さんだ。「大学では分子生物学を専攻していましたが、美白のことは何も知らなかったので、まず人の肌でメラニンがつくられ、出て行くまでのメカニズムを勉強するところから始めました。そもそも肌でメラニンがつくられるのは、メラニンが必要だから。なぜ必要なのかといえば、細胞核を紫外線から守るためです。ならば細胞内のエネルギーを高め、メラニンに依存しなくても細胞核を守ることができれば、過剰なメラニンは必要なくなる――。そう考えたのです」

 そこで佐々さんが着目したのが、私たちの細胞がエネルギーをつくり出す仕組みだ。「人には、解糖系とクエン酸回路という2つのエネルギーシステムがあります。この2つは共存していますが、筋肉ではほとんど解糖系が使われるなど、その働きには組織や部位で違いがあります。解糖系は素早く少量のエネルギーをつくるのに対し、クエン酸回路は一度に大量のエネルギーをつくることができる。表皮細胞ではほぼ解糖系が使われていますが、普段使われていないクエン酸回路を使うことができれば、細胞の中のエネルギーを高めることができる。それこそが、PCE-DPの美白作用メカニズムではないかと仮説を立てました」

 その仮説を証明すべく実験を重ね、PCE-DPがクエン酸回路に働きかけ、細胞のエネルギーであるATPの量を増やすことを実証。同時に進められていた効果や安全性のデータもほぼ揃い、2013年9月に新規美白医薬部外品成分の申請を出す。しかし、安全性の観点から厚生労働省は認可に非常に慎重で、審査はなかなか進まなかった。

画像: ホワイトショット MX (医薬部外品)<78g>¥11,000 みずみずしいジェル状ミルクは保湿感が続く「ウォータリーコート感触」

ホワイトショット MX(医薬部外品)<78g>¥11,000
みずみずしいジェル状ミルクは保湿感が続く「ウォータリーコート感触」

「ただ待っているのではなく、自分たちにできることをしようと、皮膚科専門医の協力を得て、医薬品レベルの安全性試験を行いました。100名以上、1年の安全性試験を2回実施しても重篤な副作用はなく、もともと持っていた安全性への自信が確信に変わりました」

 そしてついに2018年12月、PCE-DPは新規美白医薬部外品成分として認可を受けた。エネルギーを効率的に生産し、高めることで、表皮細胞が抱えるメラニン量が減少する。まったく新しいアプローチをもつ「エネルギー美白」がここに誕生したのである。

 とかく悪者にされがちなメラニンだが、もともとは人体にとって有害な紫外線から守るための自衛手段。ならば細胞のエネルギーを高めて、メラニンを必要としないくらい強くなればいい。こんな発想の美白が今まであっただろうか?
 過剰なメラニンよ、今までありがとう。でももうあなたに守ってもらう必要はない。この新しい美白で、私たちの肌はもっと強く、美しくなれるのだから。

問い合わせ先
ポーラお客さま相談室
フリーダイヤル:0120-117111
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