BY ALEXANDER FURY, PHOTOGRAPHS BY THIBAULT MONTAMAT, TRANSLATED BY G. KAZUO PEÑA(RENDEZVOUS)
2018年春夏のコレクションで、ブラウンは男性に女装をさせるのではなく、ドレス、スカート、ヒールといった典型的なフェミニンなアイテムをメンズ向けに提案することに決めた。例の金メッキされたベビー用のショートブーツはガラスのショーケースに納められ、まるで聖遺物のように、ショー本番のランウェイで展示されることになる。これこそ、"男性と女性の流動性"の探究とも言うべき今回のコレクションの出発点だ。"男性と女性の流動性"なんて陳腐な言い回しかもしれないが、ブラウンがやろうとしていることを説明するのには適切な表現だろう。
「自分のコレクションには政治的なメッセージは特に含まれていないけれど、オープンマインドであることの大切さはアピールしたいな」と彼は言う。「それは本当に簡単なことなんだけど、人って驚くほど新しい考えを受け入れようとしないから。『いやだ、こんなの絶対に着ないし』ってね。でもそれってそんなにタイヘンなこと?」