ウォッチジャーナリスト高木教雄が、最新作からマニアックなトリビアまで、腕時計にまつわるトピックを深く熱く語る。第5回は、優れた自社製ムーブメントを製作し、ジュエリーで女性も魅了する、時計と宝飾の両方に秀でた「ショパール」から、伝説のアイコンウォッチを再解釈し、新時代にふさわしく生まれ変わらせた新コレクションが誕生

BY NORIO TAKAGI

 ショイフレ家三代の想いが詰まった新コレクションが、ワールドワイドで10月に発売スタートとなったこの「アルパイン イーグル」である。ケースと完全に一体化したブレスレットやビス留めのベゼルなど、特徴的なディテールをサンモリッツから引用しながら、より現代的に再解釈がなされている。

画像: 「アルパイン イーグル ラージ」¥1,470,000 <直径41mm / ルーセント スティール A223、自動巻き、ルーセント スティール A223ブレスレット>

「アルパイン イーグル ラージ」¥1,470,000
<直径41mm / ルーセント スティール A223、自動巻き、ルーセント スティール A223ブレスレット>

 例えばベゼル。ビス留めしているのは同じだが、サンモリッツでは上下左右の四方向が山状に突き出した形状であったのに対し、アルパインではシンプルな丸型に。かつてあった山状の突起は、ケース左右に移されて、右側ではリューズガードを形成している。四方向をローマスとしたインデックスは、より大きく力強い印象へと改められた。それを置くダイヤルには、ワシの目の虹彩を彷彿させるテクスチャーが浮かぶ。また秒針も、ワシの羽根にインスピレーションを得ている。

 さらにショパールは、この新コレクションのために新たな素材「ルーセント スティール A223」を開発。既存のステンレススティールよりも硬く、加工は難しいが、ゴールドにも似た豊かな煌めきを放つという。その特性が、サテン仕上げしたベゼルにアルプスの氷河のような清冷な印象を添えている。この新スティールとゴールドとのバイカラーや、フルゴールドもラインナップ。ケースは3ピース構造で、ベゼルの8つのビスは裏側まで貫いて各パーツをガッチリと固定し、スポーツウォッチにふさわしい100mの優れた防水性能を得ている。

画像: 「アルパイン イーグル スモール」¥1,830,000 <直径36mm / ルーセント スティール A223+18KエシカルRG、自動巻き、ルーセント スティール A223+18KエシカルRGブレスレット> PHOTOGRAPHS: COURTESY OF CHOPARD

「アルパイン イーグル スモール」¥1,830,000
<直径36mm / ルーセント スティール A223+18KエシカルRG、自動巻き、ルーセント スティール A223+18KエシカルRGブレスレット>
PHOTOGRAPHS: COURTESY OF CHOPARD

 美しさと強さとを兼ね備えた外装には、公的機関C.O.S.C.が検査をし、高精度であることが認められたクロノメーター取得の自社製の自動巻きムーブメントが潜む。ケースは、41mmと36mmの2サイズを展開。大振りな41mmは力強くもエレガントであり、小振りな36mmは今の時代にふさわしくジェンダーレスに使える。名作サンモリッツは、約40年の時を経て、より高性能に進化し、時代に即した新たな美をまとい、見事に生まれ変わった。

高木教雄(NORIO TAKAGI)
ウォッチジャーナリスト。1962年愛知県生まれ。時計を中心に建築やインテリア、テーブルウェアなどライフスタイルプロダクトを取材対象に、各誌で執筆。スイスの新作時計発表会の取材は、1999年から続ける。著書に『「世界一」美しい、キッチンツール』(世界文化社刊)があり、時計師フランソワ・ポール・ジュルヌ著『偏屈のすすめ』(幻冬舎刊)も監修

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