BY HIROYA ISHIKAWA, PHOTOGRAPHS BY TAMEKI OSHIRO
映画『幸せのちから』では、実父のウィル・スミスと親子役を演じ、『カラテ・キッド』では、ジャッキー・チェンと共演。ジャスティン・ビーバーとの楽曲を発表するなどミュージシャンとしても躍動。社会的、環境的な問題解決に取り組む活動家としての顔も持つ。多方面に渡って活躍し、同世代を中心に幅広い人たちに影響を与えているのがジェイデン・スミスだ。
実はジェイデンが2020年からニューバランスのグローバルアンバサダーを務めていることをご存じだろうか。同年7月には同ブランドとコラボレーションしたシューズ「New Balance × Jaden Smith Vision Racer」をリリース。そして今年10月には東京で最新コラボモデル「New Balance × Jaden Smith MSFTSrep 0.01」を発表。そんなジェイデンが8月下旬に来日。日本橋浜町にあるニューバランスのコンセプトストア「T-HOUSE New Balance」で、新作スニーカーや自身の活動について話を聞いた。
そもそもなぜジェイデンがニューバランスの要職に就くことになったのか? その理由について、彼は自身の価値観とニューバランスが持っているブランドの価値観が合致していると感じたからだと話す。
「例えば、私はJUSTという会社の創設者のひとりであり、ペットボトルの使用量と排出量を減らすことを目的として、JUST WATERという製品を展開しています。こうしたサステナビリティへの配慮はニューバランスも大切にしていますし、実際に“NB × Jaden Smith Vision Racer”ではパーツの一部に再生素材を取り入れたり、シンセティックレザー(合成皮革)を活用したシューズを作ることができました。また、ホストをつとめるSnapchatのオリジナルシリーズ“The Solution Committee”では、人種や教育改革などについて議論していますが、ニューバランスも人に対するケアを非常に重要視しているという意味では、これも同じ価値観を共有しています。人を大事にすることで良い社会を作るということですね」
「Fearlessly Independent(恐れずに独自の道を歩むこと)というニューバランスのブランド哲学も、私自身の生き方そのものだと思います。そもそも父はフィラデルフィア、母(ジェイダ・ピンケット)はボルチモア出身で、両地域のあるアメリカの東部では靴と言えばニューバランスで、幼少の頃から慣れ親しんだブランドだったんです。だから私がニューバランスとパートナーシップを結び、その一員になることは、夢が叶うに等しい出来事なんです」
こうしたジェイデンとニューバランスの信頼関係から生まれた最新コラボモデルが、10月12日に発売された。 どのようなシューズなのだろうか?
「前作同様にサステナビリティを実現するため、シンセティックレザー(合成皮革)を活用しました。その上で自分らしさを出せるだけでなく、たくさんの人にも履いてもらえるシューズを実現したかったんです。特に注力したのはカラーウェイ、色の組み合わせです。歴史的なシューズの色使いを研究し、インスピレーションの源にしながら、新しいシューズの開発にあたりました。コンセプトのひとつがブラック&ホワイトなので、白いアウトソールに黒を配し、ウェアとの相性の良い色使いにしているところもポイントです」
また、前作「NB × Jaden Smith Vision Racer」に比べて、最新コラボモデルは自分自身の成長を表しているとジェイデンは話す。
「コンセプトはぴったり合わないことを意味するミスフィッツです。世の中には自分が変人なんじゃないかとか、周りに受け入れられていないんじゃないかと思っている方、つまりは社会とぴったり合わないと感じている方がいらっしゃると思うんですけど、今回発表するモデルは、社会的な立場や職業などにかかわらず、どんな人にも履いてもらえることを考えたシューズになっています。自分の視野が広がったからこそ生まれたモデルだと思います」
ますます気になる最新コラボモデルだが、ジェイデンはなぜお披露目の場として東京を選んだのだろうか?
「私は東京の人、カルチャー、ファッションが大好きですし、東京にはミスフィッツと融合できるようなファッション的センスがあると思います。川久保玲さんをはじめ素晴らしいデザイナーがたくさんいますし、東京から生み出されたクリエイティブなアイデアやデザインを見ると、本当に尊敬に値する街だと思います。私自身も大胆なファッションのアイデアをたくさんもっていますが、東京の街ではそのすべてが受け入れられている気がしてアットホームに感じます。道を歩いているだけで、ファッショナブルな人とどんどんすれ違いますし、クールでカッコいいオリジナルのヘアスタイルでキメた人もたくさん見かけます。ミスフィッツムーブメントという意味でも東京に対して期待しているものが大きいのです」
今年の7月に25歳になったジェイデンだが、この若さで俳優も音楽も社会的な活動も、そのすべてが内なる衝動に従い、自然体で行っているような印象を受ける。その原動力はなんだろうか?
「自分自身をいろいろなことにワクワクできるエキサイティングな人間だと思っていますし、世界が私にいろいろなワクワクを与えてくれていることに感謝しています。今回も東京に来ることができましたし、ニューバランスのシューズをデザインさせてもらえるという人生に一回あるかないかの特別な機会もいただきました。これから年齢を重ねていくにつれて、活動内容をより大切だと感じることに絞っていくと思いますが、私が目指すところは、さまざまな活動によって世界中の人たちになにかを感じてもらう、よかったなと思ってもらう、幸せになってもらうことです。そして、例えば、グランドマスター・フラッシュやDJクール・ハークなどヒップホップの偉大な先輩たちやニューバランスのクリエイター、ファウンダー、創業者、身近なところでは、両親や妹、友人たちと直接的にも間接的にもたくさん関わってきたおかげで、今、やりたいことができていると思いますので、私も自分の活動を通して、次世代の人たちを下から支えてあげられるような実績を築くことができたら嬉しいです」
良い意味で気負いがなく、どこまでも穏やかで自然体のジェイデン・スミス。ニューバランスとの最新コラボモデルからは、現在の彼の思考や活動の一端が垣間見えるようだ。
New Balance × Jaden Smith MSFTSrep 0.01
サイズ:24.0cm~29.0cm
価格:¥19,800
<発売店舗>
Kith Tokyo 東京都渋⾕区神宮前6-20‒10
Dover Street Market Ginza 東京都中央区銀座6-9-5
GR8 東京都渋⾕区神宮前1-11-6 ラフォーレ原宿2.5F
T-HOUSE New Balance 東京都中央区⽇本橋浜町3‒9-2
問い合わせ先:
ニューバランスジャパン お客様相談室 0120-85-7120