“スーパータスカン”「オルネッライア」の垂直テイスティングがオンラインで行われた。そこから見えてきたのは、年ごとの天候による味わいの個性の豊かさだった。最新ヴィンテージ「オルネッライア 2017」が語る“テロワール”とは?

BY KIMIKO ANZAI

 世界最高峰の赤ワインのひとつがイタリア・トスカーナ地方の「オルネッライア」だ。フィレンツェから1時間ほどの海辺にあるボルゲリの地に1981年に設立、「サッシカイア」とともに90年代には“スーパータスカン(トスカーナ)”として一世を風靡した。“スーパータスカン”とは、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロなどの国際品種を使用したボルドースタイルのワインのことで、ボルドーが長く熟成を待たなくてはならないのに比べ、“スーパータスカン”はボルドーほど長く待たなくても芳醇な味わいが楽しめることから、一気に世界的人気に火が付いた。ちなみに「オルネッライア 1997」は2001年には権威あるワイン専門誌『ワインスペクテイター』の「ザ・トップ100ワインズ」において世界第一位を獲得している。

画像: 近代的な設備が整う、「オルネッライア」のカンティーナ(ワイナリー)。手前にあるのはボルゲリを象徴する糸杉の木

近代的な設備が整う、「オルネッライア」のカンティーナ(ワイナリー)。手前にあるのはボルゲリを象徴する糸杉の木

 その芳醇な味わいの理由は、なんと言ってもボルゲリという土地の恵まれたテロワールにある。ここは地中海沿岸に面した丘陵地に位置し、夏は涼しい海風がブドウを乾燥させて健康に育み、冬はこの丘陵地が北風を遮って冷たい風からブドウの樹を守るのだ。醸造家のアクセル・ハインツ氏は画面の向こうからこう語る。「私たちの畑は海岸線から10キロほどのところにあり、海風と丘からの風を受けて育ちます。天候はマイルドで、どんなに暑い年でも気温はさほど上がりません。海からの反射光も、ブドウによい影響を与えています」。加えて、沖積土や火山性土壌が混じり合った独特の土壌もボルゲリの特徴だという。

画像: 海岸から10キロほどの場所に位置する「ベッラーリア」と名づけられた「オルネッライア」の畑。カベルネ・ソーヴィニヨンなどが植樹されている

海岸から10キロほどの場所に位置する「ベッラーリア」と名づけられた「オルネッライア」の畑。カベルネ・ソーヴィニヨンなどが植樹されている

画像: ボルゲリは地中海沿岸に面したリゾート地でもある

ボルゲリは地中海沿岸に面したリゾート地でもある

 今回テイスティングしたのは「オルネッライア 2017」のほか、2011年、2010年、2006年の4ヴィンテージ。ハインツ氏が各年の天候の特徴を詳細に説明してくれた。オルネッライア 2017は、オルネッライアワインの誕生以降、最も暑く雨が少ない年だったという。その分、果実味が凝縮し、タンニンもフレッシュ感のある味わいに仕上がった。ハインツ氏いわく「これは、偉大なヴィンテージになります」

 次の「オルネッライア 2011」は、夏は暑くて乾燥し、冬は雨が多かった年だったという。収穫は9月という早い時期で、その影響か果実味の豊かさの中にしっかりとして清らかな酸が感じられ、控えめながらもエレガントな印象だ。「オルネッライア 2010」は近年では開花や収穫がもっともスローペースで進んだ年だった。夏は雨が降らない猛暑で、反面、9月の収穫期に小雨が降ったという。ブドウは完熟し、香り豊かに育ち、果実味と酸味のバランスもパーフェクト。猛暑のニュアンスは強めのタンニンに表れており、これが、長期熟成に向いていることを予感させる。

画像: 醸造家のアクセル・ハインツ氏。毎年、気候を細やかに分析、地球温暖化にも強い関心を寄せている

醸造家のアクセル・ハインツ氏。毎年、気候を細やかに分析、地球温暖化にも強い関心を寄せている

 そして「オルネッライア 2006」。非常に寒い冬で始まり、夏には雨が少ない年だったという。興味深いのは、2006年はまだ地球温暖化が今ほど進んではいなかったということだ。夏は暑かったが猛暑ではなかったという。ブドウは完熟しても涼やかな酸味を内包しており、そのテロワールが2006年ヴィンテージには明確に読み取れた。味わいにある涼しげなニュアンスがボルドーワインを彷彿とさせ、かつて「ボルドー5大シャトーに比肩する」と評されたことがリアルに感じられた。

 最後に、ハインツ氏はこう語ってくれた。
「ボルゲリのワインはリッチでバランスが取れ、芳醇なスタイルに仕上がります。『オルネッライア』は、加えてフレッシュで、熟してもフレンドリー。アロマもローズマリーやラベンダーなど、複雑味があります。『オルネライア』はそんなボルゲリらしさを供えつつ、優雅なスタイルでありたいと思っています」

画像: 「オルネッライア 2017」<750ml>¥29,000(税込) イタリア・トスカーナ地方ボルゲリ。カベルネ・ソーヴィニヨン主体にメルロをブレンド。カシスやブラックベリー、黒胡椒の香り。芳醇な果実味とエレガントな酸味。タンニンはなめらかでありながらも厚みがあり、長期熟成向き PHOTOGRAPHS:COURTESY OF ORNELLAIA

「オルネッライア 2017」<750ml>¥29,000(税込)
イタリア・トスカーナ地方ボルゲリ。カベルネ・ソーヴィニヨン主体にメルロをブレンド。カシスやブラックベリー、黒胡椒の香り。芳醇な果実味とエレガントな酸味。タンニンはなめらかでありながらも厚みがあり、長期熟成向き
PHOTOGRAPHS:COURTESY OF ORNELLAIA

 なかなか外出もままならない昨今、せめて年末年始は大切な人とリラックスタイムを過ごしたいもの。オルネッライア 2017とともにテーブルを囲めば、ボトルの中からはリゾート地としても人気のボルゲリの“空気感”が伝わってくるはずだ。

問い合わせ先
日本リカー
TEL. 03(5643)9770

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