季節の野菜が持つ本来の美味しさを引き出すことを知り尽くしている料理家・平野由希子さんが、いま食べたい野菜で作る魅惑のお料理と、相性のよいお酒のペアリングを、時代のトレンドに合わせた視点で提案。連載第21回は、旬を迎えるブロッコリーを使って極上のビールのおつまみに!

BY YUKIKO HIRANO

画像: 旬のブロッコリーでビールが進むおつまみを!

旬のブロッコリーでビールが進むおつまみを!

 通年流通しているブロッコリーだが、本来のおいしい旬の時期は11月頃から始まる。花の蕾や茎を食べる花菜類の野菜の代表格だ。「食卓によく登場する身近な野菜ですが、お酒のおつまみにする野菜ではないかもしれませんね。こんがりと焼く、揚げるという調理法で、ブロッコリーをビールが飲みたくなるような料理にしてみましょう」(平野さん)。合わせるビールは山梨のクラフトビール。ビールがあるからブロッコリーもおいしくなる──そんな組み合わせをどうぞお試しあれ。

レシピ1:ブロッコリーのガレット

焼いたブロッコリーはほっくり香ばしく、ゆでたブロッコリーとは別物のおいしさ。表面はチーズでこんがりカリカリ。粉も少ないヘルシーさもうれしい。

画像: 蕾の部分は薄切り、軸は細かく切る。葉がついていたら細かく刻み、ブロッコリーを丸ごと使い切る

蕾の部分は薄切り、軸は細かく切る。葉がついていたら細かく刻み、ブロッコリーを丸ごと使い切る

<材料 1枚分>
ブロッコリー1/2株(100g)、パルミジャーノチーズ30g、薄力粉・片栗粉(各)大さじ1、水大さじ2、こしょう少々、オリーブオイル大さじ1

<作り方>
 ブロッコリーは薄切りにする。軸、葉などは細かく刻む。
 ボウルに、薄力粉、片栗粉、水、チーズ、こしょうを加えてよく混ぜる。
 フライパンにオリーブオイルを熱し、を加えて1㎝程度の厚さにする。中火にして3分焼き、焼き色がこんがり付いたらひっくり返す。ひっくり返すのが難しい場合には、滑らせるようにして、皿の上に乗せる。その上にフライパンを乗せて、ひっくり返す。
 フライ返しで押さえるようにして、さらに3分、こんがりとするまで焼く。

レシピ2:ブロッコリーと豆腐の揚げ出し

素揚げにすると甘さがぐっと増し、焦げた部分は香りよく、味の深みが増す。出汁を吸い込んだブロッコリーはまた格別。揚げ出し豆腐が野菜のご馳走料理に変貌する。

画像: フライパンに多めの油で揚げ焼きしてもいい。いくつかは揚げ立てに塩をつけて、つまみ喰いをぜひ

フライパンに多めの油で揚げ焼きしてもいい。いくつかは揚げ立てに塩をつけて、つまみ喰いをぜひ

<材料 2人分>
ブロッコリー1/2株、木綿豆腐1/2丁、片栗粉適量
A[だし200ml、醤油大さじ2、みりん大さじ1と1/2、塩少々]
大根おろし、揚げ油(各)適量

<作り方>
 ブロッコリーは小房に分ける。豆腐は5〜10分置き、自然に水切りし、2㎝×3〜4㎝に切る。豆腐に片栗粉を全体にまぶす。
 揚げ油を180度に熱し、ブロッコリーは3分揚げる(油がはねるので油はね防止ネットなどを使うといい)。豆腐は4〜5分、全体にからりとするまで揚げる。
 小鍋に[A]を入れて煮立てておく。
 器にを盛り、をかけ、大根おろしを添える。

【今月のお酒セレクト:98BEERs【九八】BELGIAN BITTER】

画像: PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO

 98は、自分たちだけで100にするのではなく、様々な人たちとのコラボにより98を100にも200にもしていく、という想いから名付けられたという。「ビターでフルーティー。シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵によるビールは泡のきめが細かく、喉越しで飲むというより、ゆっくり食事に合わせて飲むのがいいですね」(平野さん)

平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。
公式サイトはこちら

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