BY YUKIKO HIRANO
真冬が旬のチコリ。フランスではアンディーブと呼ばれる国民的人気野菜だ。ほろ苦さとサクサクとした歯応えが魅力。ベルギーやオランダからの輸入ものが多いが、近年、北海道、岐阜、埼玉など品質の高い国産品も増えてきた。「生もおいしいのですが、加熱したおいしさは格別。チコリのグラタンは、数あるグラタン料理の中でも一番好きな料理かもしれません。じっくりとソテーしても、また違う表情を見せてくれますね。冷え込んできたこの季節、熱々のチコリ料理でシャンパーニュ。冬の贅沢ですね」(平野さん)。
レシピ1:チコリのグラタン
ベルギーやフランスで愛されている家庭の味。熱々のホワイトソースの濃厚さに、チコリの苦味が溶け合う。
<材料4人分>
チコリ4個、ロースハム4枚
A [水1/3カップ、バター小さじ1、塩少々]
バター、薄力粉各30g、牛乳400ml、塩小さじ1/3 、ナツメグ・こしょう各少々、チーズ(エメンタールチーズなど)80g
<作り方>
1 鍋にチコリ、Aを入れてふたをし、弱火で15分蒸し煮する。水気を切り、ハムを巻く。
2 ホワイトソースをつくる。鍋にバターを入れて溶けてきたら、薄力粉を入れて弱火で焦がさないように炒める。
3 冷たい牛乳を少しずつ入れて伸ばしていく。3〜4回に分けて加えなめらかにする。塩、こしょう、ナツメグを加え、とろりとしたホワイトソースに仕上げる。
4 グラタン皿に1を並べ、ソースをかけ、チーズをのせ予熱した200度のオーブンで15分、またはオーブントースターでこんがりするまで焼く。
レシピ2:チコリソテー&牛フィレステーキ
フランスではチコリは肉のつけあわせによく登場するが、キャラメリゼさせてじっくり焼いたものは主役級のおいしさ。
<材料 2人分>
チコリ1個、牛フィレ肉1枚、バター大さじ1/2、砂糖ひとつまみ、レモン汁少々、牛脂(またはサラダ油)、塩、こしょう
<作り方>
1 牛肉は焼く30分前に冷蔵庫から出しておく。
2 フライパンに牛脂、またはサラダ油を入れてしっかり熱し、フィレ肉を入れて中強火できつね色よりさらに少し焼き色がつくくらいまで焼く。焼き時間は1分半が目安。
3 ひっくり返し、反対側も1〜1分半焼く。上質なフィレの場合には、焼き上げてから塩、こしょうをする。繊細な肉には白こしょうがおすすめ。
4 コンロの上など、温かいところで10分休ませる。
5 チコリを縦2つ割りにする。フライパンにバターを熱し、砂糖ひとつまみを加えて中火で切り口を下にして、塩少々をふって焼く。こんがりとした焼き色がついたら裏返して、レモン汁少々を加えてさらに焼く。ステーキを食べやすくスライスし、チコリを添える。
【今月のお酒セレクト:クリストフ ミニョンADN ドゥ ムニエ ブリュット ナチュール】
ピノムニエ100%でつくられ、ムニエのDNAという意味からADNと名付けられた自然派シャンパーニュ。「大好きなつくり手のシャンパーニュです。そして、私はムニエ好き。チコリを使ったフランス料理との組み合わせは最高ですね。12月はごちそうを食べる機会が多いかもしれませんが、霜降りの肉、和牛のローストビーフなどには重たい赤ワインよりもシャンパーニュを合わせるのがおすすめです」(平野さん)
平野由希子さんがナチュラルワインの定期便を開始!
平野由希子さんが主宰する料理教室cusine et vin が、ナチュラルワインの定期便コースを開始。隔月にワイン5~6 本、もしくは3本のスパークリングワインが届くメンバーシップコースで構成。お届けするワインにはどんな料理が合うか、などの情報も一緒に送ってくれる。
「空前のナチュラルワインブームですが、自分で選べないという方も多くいます。不安定な部分もあるナチュラルワインはワインの状態、ボトルを空けるタイミングもとても大切です。私とスタッフが試飲をして心からおいしいと思ったワインだけをセレクトしてお届けします」と平野さん。
「週末ごはん会に合うワインを選んでほしい」「ナチュラルな野菜料理に合うワインが飲みたい」などのリクエストにもお応えできるオーダーメード感覚のコースを目指しているのだそう。
平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。
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