京都生まれ、京都育ちの食いしん坊、京都でおいしいものに出合いたければ、この人に聞けばハズレなし!そんなアマジュンこと天野準子の絶品満腹口福アドレス。今月は、カフェとはひと味違う「喫茶空間」を紹介。第2弾は「しばし」へ

TEXT & PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO

岡崎「しばし」

画像: 無農薬レモンを庭のローズマリーとてんさい糖で漬け込んだ「レモネード」¥800

無農薬レモンを庭のローズマリーとてんさい糖で漬け込んだ「レモネード」¥800

 平安神宮の周辺には美術館が建ち並び、京都きっての文化エリアとして知られる岡崎。細い道に入ると住宅が軒を連ね、「しばし」も築100年以上の京町家を改装。門をくぐると、茶室へ向かう露地のように飛石や植栽が配され、非日常に誘われる。

画像: 門構えも立派な京町家

門構えも立派な京町家

 こちらは、音楽レーベル『Traffic』を主宰する中村周市さんが代表を務めるリスニングサロンだ。中村さんは、数年前から京都に生活の拠点を移し、2022年からアンビエントをテーマにした視聴覚芸術の展覧会「AMBIENT KYOTO」を開催。2022年はアンビエントミュージックの先駆者、ブライアンイーノの大型個展を開催し、2023年には、坂本龍一+高谷史郎のインスタレーションを行うなど、全国的に注目を集めた。

画像: 緑が生い茂る前庭

緑が生い茂る前庭

「しばし」は2023年10月にオープンし、「AMBIENT KYOTO 2023」では、坂本龍一さんの世界に一枚のレコードが聴けるイベントを開催。展覧会終了後、2024年からは、喫茶営業を本格的に始動し、さまざまなカルチャー・イベントを行っている。

画像: 二間続きの部屋。縁側に設けられたスピーカー裏のテーブル席は庭の緑も近く、特等席

二間続きの部屋。縁側に設けられたスピーカー裏のテーブル席は庭の緑も近く、特等席

 玄関で靴を脱ぐと、奥に長い畳の間が広がり、窓の向こうには竹林を借景にした庭が望める。まるでおばあちゃんの家ぐらいのんびりできる空間。それでいて、床の間には『LEAK』製の真空管アンプや『Garrard』のターンテーブルがセットされ、畳には『LOCKWOOD』の巨大スピーカーが鎮座。営業中は常にレコードがかかり、年代ものの英国製音響機器ならではのクリアかつまろやかな音が聞こえてくる。

画像: 真空アンプやプレーヤーも意外としっくり床の間に溶け込んでいる。レコードを持ち込めばかけてもらうことも

真空アンプやプレーヤーも意外としっくり床の間に溶け込んでいる。レコードを持ち込めばかけてもらうことも

 メニューは漢方茶やスイーツ、お酒、点心、天然酵母パンセットなど、いろんなジャンルを少しずつ。オープン当初よりメニューも増え、2025年4月からランチセットも始まった。

画像: 店舗を持たず活動中、独創的な菓子で人気を博している「御菓子丸」の和菓子2種、ドリンクとセット¥1,600

店舗を持たず活動中、独創的な菓子で人気を博している「御菓子丸」の和菓子2種、ドリンクとセット¥1,600

 一人客も多く、なかにはひとりでぼーっと1時間、2時間過ごす人も。町家×レコードは一見、不思議な取り合わせに思えるが、畳や土壁は反射する音が柔らかく、町家全体で音が鳴っているような感覚に包まれ、親和性が高し。

画像: 岡崎「しばし」

「しばし」
住所:京都市左京区岡崎天王町76-16 
営業時間:12:00〜19:00(土・日は喫茶営業終了後バー営業あり12:00〜22:00)
定休日:月曜
TEL. 080-4189-3396
公式インスタグラムはこちら

画像: 天野準子 生まれてこの方、碁盤の目と呼ばれる京都の街中暮らし。雑誌やWEBで京都にまつわるライティングやコーディネートを行っている。プライベートでは、強靱な胃袋を武器に日々、おいしいものをハント

天野準子
生まれてこの方、碁盤の目と呼ばれる京都の街中暮らし。雑誌やWEBで京都にまつわるライティングやコーディネートを行っている。プライベートでは、強靱な胃袋を武器に日々、おいしいものをハント

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