マインドを整える、
9月のメッセージ
さまざまな事象にアンテナを張り巡らせ、その繊細で温かな人柄が多くの人から厚い信頼を寄せられている占い師・真木あかりさん。真木さんの琴線に触れた、心の滋養になる四字熟語とメッセージを毎月お届け
☆器用貧乏☆
器用でなんでも巧みにこなすからさまざまなものに手を出すものの、どれも突き詰めることなく「そこそこ」で終わってしまう。「なんでもできる人」というイメージがついて、あちこちからこき使われるばかりで大成できない──なんとも悲しい様子を「器用貧乏」と言ったりします。
AIが普及し、アイデア出しや意見、解釈や要約は「まずはAIに聞いてみる」ところが出発地点になることも多い昨今。そうした意味では、「器用」は手に入れやすくなりました。ただ、器用な人は行動によって器用さを高める一方で、思考をAIに投げっぱなしで結果だけ出そうとするのは、いささか「貧乏」だけにつながるような気がします。「AIを利用して浮いた時間をクリエイティブなことに使えばいいではないか」というのは正論ですが、土台なきところに積んだクリエイティブというのは、いかにも心もとない気がします。思考版「スローライフ」的なブームが起こったら面白そうだと思いますが、お金がもうかる気がしません。それこそ「不器用貧乏」といいところナシな結果になりそうだと、過渡期の今、想像したりしています。
『新明解 四字熟語辞典』(三省堂)

ILLUSTRATIONS BY MAORI SAKAI