長年エルメスの名香を世に送り出してきたジャン=クロード・エレナが、フリーになって手がけた「クヴォン・デ・ミニム」のフレグランスが話題だ。そのクリエーションの真意を、香りの哲学者とも称される彼に尋ねた

BY TERUNO TAIRA

 元エルメス専属調香師として知られ、フランスの香水界で長年活躍してきたジャン=クロード・エレナ。現在、彼はクヴォン・デ・ミニムで、若手調香師と対話をしながら香水作りの監修を務める。「ブランドが “ヴィーガンフレグランス”というヴィジョンを示したとき、当初はそれは私自身の作り方ではないと思いました。香水界ではもう何年も前から動物から得る香料は使われなくなってきていたし、科学的にそれらの香りを作る方法もたくさんあるので、ヴィーガンの香りを作ること自体は難しくはないのです。でも、人間が自身も動物であるという意識を捨て去って生きている現代社会では、ヴィーガンフレグランスは逆に面白いと思ったのです」。人口1,700人の小さな村に今も暮らす香りの哲学者は続ける。

画像: JEAN‐CLAUDE ELLENA(ジャン=クロード・エレナ) PHOTOGRAPH BY SHINSUKE SATO

JEAN‐CLAUDE ELLENA(ジャン=クロード・エレナ)
PHOTOGRAPH BY SHINSUKE SATO

「私の村では死はいつも身近にあります。誰かが亡くなるとその人のお墓に村人が集まる。死者が生者を結ぶ存在になるのです。私には都市生活者は死を排除しているように思えてなりません」。彼が監修した新コレクションでは、17世紀末に活躍した植物学者ルイ・フュイエの描いた動物のスケッチをもとに5つの香りが作られた。「ヴィーガンの香りで動物がテーマなんですね?」と問うとエレナは笑いながら、「そう、逆説的でしょ。花やハーブの中には動物臭を出して昆虫を寄せつけるものがたくさんあります。動物性香料を使っていないけれど動物の個性の香りがする、面白いでしょ」。

画像: シンギュラー オーデパルファム アッタイ<100ml>¥11,600 エレナの監修のもと、5つの動物をテーマに次世代の期待の調香師4人が創作。雌オオカミの「アッタイ」はココアにレッドペッパコーンが弾ける温かみのある甘い香り クヴォン・デ・ミニムジャポン TEL.03(5413)8326 COURTESY OF LE COUVENT DES MINIMES

シンギュラー オーデパルファム アッタイ<100ml>¥11,600
エレナの監修のもと、5つの動物をテーマに次世代の期待の調香師4人が創作。雌オオカミの「アッタイ」はココアにレッドペッパコーンが弾ける温かみのある甘い香り
クヴォン・デ・ミニムジャポン
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