北欧の巨匠ハンス・J・ウェグナーの傑作や、倉俣史朗のアートな椅子、深澤直人×マルニ木工による現代の名作まで。肘を預けてゆったりとくつろげる、美しいアームチェアを厳選紹介

BY EMI ARITA

ハンス・J・ウェグナーの「チャイナチェア」

画像: 「チャイナチェア」¥1,559,800/フリッツ・ハンセン COURTESY OF FRITZ HANSEN

「チャイナチェア」¥1,559,800/フリッツ・ハンセン

COURTESY OF FRITZ HANSEN

 フリッツ・ハンセンの「チャイナチェア」は、1944年にデンマークデザインの巨匠ハンス・J・ウェグナーがデザインした椅子。その名の通り、17〜18世紀の中国の椅子から着想を得たもので、後にウェグナーがデザインする「ザ・チェア」や「Yチェア」のルーツともなった作品。
 ひと際目を引くのが、アームから背にかけての笠木のカーブ。正面、横、後ろと、どの角度から眺めても美しい彫刻的なフォルムで視線を奪う。その絶妙なカーブが肘をやさしく支えてくれるだけでなく、背骨に沿うようにカーブした背板が、しっかりと背中を支えてくれる。バリエーションは、無垢材のチェリーとブラックアッシュの2種。シートクッションのレザーは、豊富なバリエーションからセレクト可能。

画像: COURTESY OF FRITZ HANSEN

COURTESY OF FRITZ HANSEN

フリッツ・ハンセン 東京
TEL. 03-3400-3107
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マリオ・ベリーニの「キャブ アームチェア」

画像: 「キャブ アームチェア」¥506,000~ /カッシーナ COURTESY OF CASSINA IXC.

「キャブ アームチェア」¥506,000~ /カッシーナ

COURTESY OF CASSINA IXC.

 上質なレザーに覆われた気品漂う「キャブ アームチェア」は、1977年にイタリアの巨匠マリオ・ペリーニが発表した「キャブ」シリーズの肘掛け椅子。「人間の体の延長」を目指しデザインされたもので、金属製のフレームに、カッシーナ独自の厳しい基準をクリアーした最高級のなめし革を被せているのが特徴。厳選された素材による美しい佇まいと、快適な座り心地を実現する機能的な構造から、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久収蔵品にもなっている。
 肘掛けが備わった「キャブ アームチェア」は、ダイニングチェアとしてはもちろん、ゆったりと過ごすコーヒータイムや読書タイムのお供にもぴったり。背もたれからアーム部分に続くカーブは、精緻に計算されており、肘の置き心地も抜群。使い込むほどに体に馴染み、趣が増していくレザーは、ベーシックな黒や白、深みのあるレッドやブルーなど全16色からセレクト可能。

画像: COURTESY OF CASSINA IXC.

COURTESY OF CASSINA IXC.

カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
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倉俣史朗の「Sing Sing Sing」

画像: 「Sing Sing Sing」¥687,500/センプレ PHOTOGRAPH BY RYOICHI YAMASHITA

「Sing Sing Sing」¥687,500/センプレ

PHOTOGRAPH BY RYOICHI YAMASHITA

 流れるようなS字ラインを描く金属製のシートが特徴的な「Sing Sing Sing」。ガラスやアクリル樹脂など工業素材を用いて、芸術性と独創性に富む作品を生み出してきた倉俣史朗が、1985年に初めてエキスパンド・メタルを用いてデザインしたユニークなアームチェアで、独特の浮遊感を表現したもの。耳にしたことがある人も多いであろう、スウィングジャズの名曲『Sing, Sing, Sing』からその名がつけられた。
 アームと脚を構成するフレームは、後脚の無いカンチレバー(片持ち構造)になっているため、腰掛けると脚がしなり、金属製のシートながら座り心地はやわらか。アートとしても日々の暮らしを彩ってくれる美しいアームチェアは、自分だけの特等席にお迎えしたい。

センプレ
TEL. 03-6407-9081
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オーレ・ヴァンシャーの「OW149 コロニアルチェア」

画像: 「OW149 コロニアルチェア」¥399,300〜/カール・ハンセン&サン COURTESY OF CARL HANSEN & SØN

「OW149 コロニアルチェア」¥399,300〜/カール・ハンセン&サン

COURTESY OF CARL HANSEN & SØN

 デニッシュモダンの巨匠のひとり、オーレ・ヴァンシャーが1959年にデザインした名作「コロニアルチェア」。1700年代のイギリスの伝統的なスタイルの優雅さと格式を、モダンにアップデートすることを目指した作品で、その絶妙なバランスが「コロニアルチェア」の魅力。 ミニマリスト、機能主義者と評価され、洗練された細身のラインのデザインを得意とするオーレ・ヴァンシャーらしく、「コロニアルチェア」も、細く優雅なフレームが印象的。
 デザインのアクセントにもなっている特徴的なアームは、手首側に向かって傾斜があり、肘を置いたときのフィット感も抜群。先端部分は丸みを帯びているため、手を置いたり、握ったりした際にも心地いい。ラウンジチェアとして迎えるならば、オットマンにもなる「コロニアルスツール」と合わせるのがおすすめ。フレームはオーク材とウォルナット材の2種。張り地のレザーは豊富なバリエーションからセレクト可能。

画像: 写真右「OW149F コロニアルスツール」¥224,400〜/カール・ハンセン&サン COURTESY OF CARL HANSEN & SØN

写真右「OW149F コロニアルスツール」¥224,400〜/カール・ハンセン&サン 

COURTESY OF CARL HANSEN & SØN

カール・ハンセン&サン 東京本店 / 大阪 
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深澤直人の「ヒロシマ アームチェア」

画像: 「ヒロシマ アームチェア(板座)」¥108,900〜/マルニ木工 COURTESY OF MARUNI WOOD INDUSTRY INC.

「ヒロシマ アームチェア(板座)」¥108,900〜/マルニ木工

COURTESY OF MARUNI WOOD INDUSTRY INC.

 現代を代表する名作椅子といえば、マルニ木工の「ヒロシマ アームチェア」。100年経っても飽きのこない椅子を目指し、2008年に発売された深澤直人がデザインした椅子で、2023年のG7サミットでも使用され話題を呼んだ作品。いちばんの特徴は、背からアームにかけての緩やかなカーブ。わずかに膨らみのあるアーム部分に肘を置くと、すべすべと滑らかな木肌の感触が心地よく、一度触れたら虜に。
 なだらかなカーブの背もたれと、ゆとりのある座面により、長時間座っていても疲れにくく、ダイニングチェアからラウンジチェアまで、幅広いシーンで活躍してくれる。フレームのバリエーションはビーチ材2種、アッシュ材、オーク材2種、ウォルナット材の全6種。シートは板張と張座の2種からセレクトできる。

画像: COURTESY OF MARUNI WOOD INDUSTRY INC.

COURTESY OF MARUNI WOOD INDUSTRY INC.

マルニ木工
TEL. 03-5614-6598
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