エル・システマの仲間が一堂に集うガラコンサートが開催される。音楽の根源に触れ、魂を揺さぶられる舞台。音楽を通じて内なる力を開花させていく子どもたちの姿がそこにある

BY OGOTO WATANABE

 さて、それから一年。今年もまた、エル・システマの仲間が集う年に一度の祭典が、12月1日(土)に東京芸術劇場で開催される。あれから3年、初心者ばかりだった相馬子どもオーケストラはいまや難度の高い交響曲をみごとに演奏し、一昨年前にはベルリン・フィルとの共演も果たした。子どもたちは成長し、本格的に音楽家を目指す子もでてきているという。震災の被害が特に大きかった大槌町では、いまだに仮設住宅で暮らしを余儀なくされている子どもたちもいる。当初は稽古場の確保も楽器をそろえるのもひと苦労だったと聞くが、現在、未就学児から中学生までの27名で構成されるオーケストラはのびのびと練習に取り組んでいる。最初はひとつの小学校での弦楽教室からスタートした駒ケ根も、今年の7月から市内の全小学校を対象とした活動に広がり、今では百人もの子どもたちが音楽をともに楽しんでいるのだ。そして、そのオーケストラを指揮するのは、ベネズエラから初来日を果たすエンルイス・モンテス・オリバー。ベネズエラのエル・システマで故アブレウ博士とドゥダメルに直接師事し、次世代の担い手と期待される大型新人だ。

画像: ベネズエラ・ジャケット姿の『ララ・ソモス』のメンバー。このコンサートは、彼らの高度な楽器演奏と素晴らしい歌声を生で聴くチャンス! COURTESY OF EL SISTEMA JAPAN

ベネズエラ・ジャケット姿の『ララ・ソモス』のメンバー。このコンサートは、彼らの高度な楽器演奏と素晴らしい歌声を生で聴くチャンス!
COURTESY OF EL SISTEMA JAPAN

 そして、東京ホワイトハンドコーラスでは、盲学校に通う子どもたちによる声のコーラス隊も加わり、「手歌」と「声」の初共演に挑戦する。ベネズエラからは「ララ・ソモス」が来日し、すばらしいヴォーカル・アンサンブルを披露する。「ララ・ソモス」はベネズエラのエル・システマの特別教育プログラムに所属する楽団で、メンバーそれぞれが困難を抱えつつ、卓越した音楽性をもつブループだ。ジャズからクラシックまでレパートリーは広く表現力も多彩で、その美しいハーモニーとグルーヴ感に魅了された熱いファンを世界各地にもつ。

画像: 2018年3月、子ども音楽祭の舞台。相馬の子どもによる指揮で、グリーグ「ホルベルグ組曲」を演奏。中央で指揮をする少年は、取材チームが3年前に相馬を訪れたときは、ひときわあどけなさの目立つ男の子だった COURTESY OF EL SISTEMA JAPAN

2018年3月、子ども音楽祭の舞台。相馬の子どもによる指揮で、グリーグ「ホルベルグ組曲」を演奏。中央で指揮をする少年は、取材チームが3年前に相馬を訪れたときは、ひときわあどけなさの目立つ男の子だった
COURTESY OF EL SISTEMA JAPAN

 大槌、相馬、駒ケ根、東京、そしてベネズエラから――。それぞれの事情や困難を抱える子どもやおとなが集い、ともに奏で、音楽をつくりあげていく。言葉の違いや、肌や髪の色の違い、障がいのあるなしに関わらず、皆でリズムや旋律、うねりを響かせる。分断の時代、格差社会、排他的といわれる昨今だが、音楽を通じて人がつながり共になにかを生み出す喜びを、舞台と一体となって味わえるはずだ。難しいことはさておき、エル・システマのコンサートは選曲も構成もセンスがよく、理屈ぬきに楽しく美しい。この機会に、ぜひ会場に足を運んでほしい。

エル・システマ ガラ・コンサート

日時:2018年12月1日(土)15:00開演(14:00ロビー開場)
場所:東京芸術劇場 コンサートホール
住所:東京都豊島区西池袋1-8-1
料金:全席指定¥2,000(税込)、高校生以下¥1,000(税込)

指揮:エンルイス・モンテス・オリバー
相馬子どもオーケストラ、大槌子どもオーケストラ、駒ケ根子どもオーケストラ
東京ホワイトハンドコーラス、ララ・ソモス
曲目:モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲集『四季』より『春』『冬』ほか

寄付つきチケット 応援キャンペーン
11月23日(金)まで、子どもたちが上京するための旅費、滞在費などの資金を援助する寄付つきチケットを販売中。チケット1枚(¥2,000)につき¥3,000の寄付ができるチケット、チケット2枚(¥4,000)につき¥5,000の寄付ができるチケットなど。応援キャンペーンの詳細はこちら

問い合わせ先
東京芸術劇場ボックスオフィス
TEL. 0570(010)296

 

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