ロエベが発行するコレクタブルブック『Publication』に起用され、世界的に知られるようになったfumiko imano。トークショーのために東京のロエベ表参道店に訪れた彼女にインタビューを行った

BY MASANOBU MATSUMOTO, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO

画像: セルフポートレイト制作を通じて「ずっと小さい時から問い続けていた“自分は何者だろう?”が、“これが私よ!”に変わっていった」と話す。近年は創造の幅を広げ、イラストレーション、そして昨年11月には音楽「hiruma no chocho」も発表。現在itunesで配信中

セルフポートレイト制作を通じて「ずっと小さい時から問い続けていた“自分は何者だろう?”が、“これが私よ!”に変わっていった」と話す。近年は創造の幅を広げ、イラストレーション、そして昨年11月には音楽「hiruma no chocho」も発表。現在itunesで配信中

 2度めは20代のはじめ。ファインアートを学ぶためロンドンへ。「セントラル・セント・マーチンズに留学して、そのあとしばらくロンドンで仕事をしたんだけど、ビザの関係で日本に帰国。帰国後の“周囲とのなじめなさ”は、リオからの時と比べても強烈だった。だって、リオからの時は、私は子どもだった。私にちょっかい出してきたのも子どもだったから。でも、ロンドンから帰国した時は、私ももう27歳で大人だったし、周りの大人たちからしっかりしなさいと言われたの。日本の社会で大人として生きることのプレッシャーが重くのしかかってきた」

「仕事でも、ロンドンでは上手くいったことが、日本では通用しないことも多くて。自分を責めた時期もあった」と当時を振り返る。自分でさえ、自分を認められない状況に陥った。「その時、独りよがりだということもわかってたけど、ふと自分と同じような考えの人がもう一人いたら、きっともう少しラクに生きられる、もっと毎日が楽しくなるんじゃないかって」。そして、以前、自分が映る写真を2つ切り貼りし、繋げてみた作品のことを思い出し、同じことをした。「実際に出来上がった双子の写真を見て楽しかったし、セラピーを受けているように心が癒されるのがわかったの」

「セルフポートレイトという手法や“双子”というモチーフは、ほかにもたくさんのアーティストや写真家がやっているし、特別なことではないかもしれない。でも私にとって“双子シリーズ”は、マジックみたいなもの。作るたびに魔法が起きて、夢中になれる大切なものなの」とfumiko 。彼女の写真の原点は、家族アルバムだということも教えてくれた。「リオから帰国した後、ずっと当時の家族アルバムを見返していたの。父親が“こっちを見なさい”って言ってシャッターを押す。そんな親が子どもを撮るようなベーシックな写真のイメージが、私の作品のベースにあるのかも」

画像: 『Publication』の撮影のフィッティングの時に撮った“双子シリーズ”。真ん中左がジョナサン・アンダーソン。その右側がミカエル・アムザラグ COURTESY OF LOEWE

『Publication』の撮影のフィッティングの時に撮った“双子シリーズ”。真ん中左がジョナサン・アンダーソン。その右側がミカエル・アムザラグ
COURTESY OF LOEWE

 “双子シリーズ”で大切にしていることがあるという。「それは、私は本当は双子ではないってこと。この作品は“嘘”だから。虚構の世界。今はコンピュータを使えば、完璧に合成することもできるけど、この写真は嘘だってわかるように、ハサミで切りノリで貼って、2つの写真をつなぎ合わせたラインがわかるように残してあるの」。小さい子どもがつくような、わかりやすく愛らしい嘘のかたちだ。

 インタビューの最後に、ロエベのクリエイティブディレクターを務めるジョナサン・アンダーソンの印象を聞いてみた。「2017年11月に日本で開かれたパーティでも会って、新宿で一緒に飲んだこともあるけど、本当にチャーミングな人。いちばん記憶に残っているのは、最初に出会った『Publication』の撮影のフィッティングの時かな」。その時、ジョナサンとミカエルと一緒に撮った記念写真は“双子バージョン”になって本にも載ってる。イマノのいちばんお気に入りのカットだという。「あまりにも自然すぎて、格好つけてないからおもしろいでしょ?」

ロエベジャパン カスタマーサービス
TEL. 03(6215)6116
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