BY LINDSAY TALBOT, TRANSLATED BY FUJIKO OKAMOTO
“写真は時代の素晴らしい証言者となりうる”。だから私はスナップショットや古い写真をムードボードに貼る。マーティン・パーの一杯の紅茶の写真(1997年)は2018年の春夏メンズ・コレクションのインスピレーションとなり、スー・ティリーの日常の中のありふれたものを描いたイラストを施したバッグやニットなどにつながった。
ジョエル・スタンフェルドのランチを食べるウォール ストリートのサマーインターンの学生たち(1980年代後半)からは、ビジネスシャツとネクタイにバミューダパンツを合わせる――名づけて“スカイプルック”など、ストリートとテーラリングの融合というテーマが生まれた。
スリム・アーロンズの写真は二度と戻らない時代へのノスタルジーをかきたてる。特に好きなのがこのアカプルコのラ・コンチャ・ビーチクラブの写真(1975年)。理由はピンクのストライプがフェンディのストライプを彷彿とさせるから。