PR:TASAKI×T JAPAN
BY MICHINO OGURA, PHOTOGRAPHS BY SATOSHI YAMAGUCHI, STYLED BY MAYU YAUCHI
「TASAKI COLLECTION LINE」はNYのファッションデザイナー、タクーン・パニクガルが手がけるクリーンでエッジの効いたライン。中でも、最もパワフルなシリーズが「デインジャー」だろう。食虫植物が持つ神秘的なフォルムの美しさなどから着想を得たデザインは、ほどよい毒を持ちながらもエレガント。その現代性で、ファッションコンシャスな女性たちからの支持も厚い。
一方でマンガ『チェンソーマン』は、デビルハンターたちの活躍を描きながら、ドライブ感のある作画と既成概念を打ち破る驚異のストーリー展開で大きな話題を呼んでいる。ともに “危険な美”を秘めた「デインジャー」と『チェンソーマン』のコラボレーションは、どのような化学反応を起こすのか? まずは少年マンガの先進性を研究する田中圭一が考察する。
マンガ研究者・田中圭一に聞く。時代を変えうる『チェンソーマン』のポテンシャル
「我々の世代、50〜60代はダークヒーローマンガというと永井豪の『デビルマン』、岩明均の『寄生獣』の印象が強く、藤本タツキの『チェンソーマン』を読み始めた頃はその系譜だと思っていました。『週刊少年ジャンプ』ならではの、戦って倒した敵が味方になっていくような、主人公の成長物語の流れを想像して読み進めていたんです。しかし、何かが違う。現在は第1部「公安編」が終了した段階ですが、その後半のクライマックスはまるで前衛芸術のよう。従来のバトルマンガが扱ってこなかった、芸術や文学を感じさせる創りになっていると感じました」。
『チェンソーマン』は年内に地上波やNetflixなどでアニメ放送・配信が予定され、原作の第2部「学園編」は『少年ジャンプ+』にて7月より連載が開始される。この作品が本格的に世界から注目されるのはこれからだと田中は予測する。
「いま、日本のマンガ作品の質がとんでもなく上がってきていると実感しています。というのも、1980〜90年代は世界的に見ても、映画やドラマは今ほどは振るわない時代でした。ゼロ(2000)年代以降、アメリカのドラマや韓国のエンターテインメントが日本に本格的に入ってきて、グローバルな感覚をインプットできるようになってきた。今ではTwitterをのぞくと毎日誰かがマンガを無料でアップしています。レベルの高い娯楽を土砂降りのように浴びることができる状態なんです。藤本タツキはまだ28歳。その膨大なインプットを再構築しているようにも見えますが、天賦の才能をもって圧倒的な絵の海に浸る快感を生み出しました。例えていうなら、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のように、これまでのセオリーでは語れない新しい地平を見ているんだろうなと。日本のマンガが世界に誇れる状況になったのは、手塚治虫に影響を受けた石ノ森章太郎や少女マンガであれば竹宮惠子など、その時代ごとに起爆剤となる天才が現れ、その背中を追うものが出てきたからこそ。藤本タツキもそのような存在になりうると思っています。『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』がアニメ化で世界的にヒットしたことを鑑みても『チェンソーマン』は日本のレベルの高いアニメクリエイターと組むことで、より大爆発を起こすのではないでしょうか」。
田中圭一(たなかけいいち)/マンガ家。京都精華大学教授。1984年に『ミスターカワード』でギャグマンガ家デビュー。その後『ドクター秩父山』がヒットし、TVアニメ化される。95年以降はパロディーマンガ家として活躍。現在、京都精華大学マンガ学部マンガ学科・新世代マンガコースにて教鞭を執っている。
ファッションジャーナリスト・藤岡篤子が語る。コラボレーションが巻き起こすダイナミズム
世界のモード界ではさまざまなコラボレーションが毎シーズン発表されている。パールジュエリーの伝統を誇る老舗ジュエラーTASAKIによる『チェンソーマン』との取り組みについて、藤岡篤子はモードの歴史をふまえて、こう解釈する。
「パールとは古典的な美しさを象徴するジュエリーです。TASAKIはそこに世界で活躍するクリエイターを迎え入れました。斬新なアイディアを提案し、新しいファンを増やすことに成功した稀有なブランドだと思います。例えばパールを半分に割ってしまうことや、今回フィーチャーされている『デインジャー』シリーズのように、パールにトゲのモチーフを加えてしまうなど、安定した美しさに頼るのではなく、躊躇なく新しいことを実現していくんだという意思を感じます。従来の真珠のイメージを覆し、現在進行形で顧客のニーズをきちんと捉えているからこそできることです。おそらく今回の、マンガとパールとのコラボレーションというのも、ブランドの革新性を象徴する出来事のうちのひとつになると思います」。
ファッションの歴史のなかで、コラボレーションはどのような作用を及ぼしてきたのだろうか。藤岡はその影響力はますます強くなっていくと語る。
「歴史的に見ても、ファッションとアーティストのコラボレーションというのは親和性の強い分野です。デザイナーたちもアーカイブの歴史を紐解くことだけではなく、何か新しい感性を取り入れることで、自分のクリエイティビティを拡張できる好機と捉えているのだと思います。以前はマンガというと、日本独自のサブカルチャーで子供が読むものとして考えられていましたが、最近では世代も変わり、日本のマンガやアニメから影響を受けたデザイナーも増えています。マンガのグローバルな価値に気がついたというのが現状ではないでしょうか」。
伝統あるファッションやハイジュエリーの分野では、世代間格差をどう埋めるかという課題も背景にあると藤岡は分析する。
「プラダのクリエイティブ・ディレクター、ミウッチャ・プラダがラフ・シモンズを迎え入れブランドの刷新を図ったように、歴史あるブランドがどう若い世代とコミュニケーションを取っていくかというのはどこも共通の問題です。最近では主なブランドは30〜40代のデザイナーが中心になってきており、その下の、さらに若い才能はLVMH PRIZEなどで早いうちに発見され、フィーチャーされるような流れができています。若いクリエイターたちは、同級生や友達など周囲に新しい感性を持っているアーティストがひしめいていて、互いにコラボレーションするという例も増えています。そうやってファッションの閉塞感をなんとか打破しようというのが、コラボレーションが同時多発的に起こっている背景だと考えています。ひとりでは限界があり、1足す1は2ではなくて、それが5にも6にもなる可能性を秘めたコラボレーションへの期待というのは、これからも高まっていくのではないでしょうか」。
藤岡篤子(ふじおかあつこ)/ファッションジャーナリスト。新聞や雑誌など幅広いメディアに執筆。情報知識辞典『イミダス』のファッション分野の執筆編集も担当していた。国際羊毛事務局(IWS)婦人服ファッションコーディネーターを経て、ファッションジャーナリストとして活動を開始。
進化を止めない、TASAKI「デインジャー」シリーズ
TASAKIのアイコンシリーズのひとつ「デインジャー」。デザイナーのタクーン・パニクガルが食虫植物からインスピレーションを得たという、ミステリアスな造形が魅力だ。普遍的な美しさが宿るパールひとつひとつに、パンキッシュなトゲや牙のモチーフを加えることで唯一無二の存在感を生み出している。定番のモデルから、2022年6月29日よりローンチされる新作まで、この機会にチェックしたい。
【イベントINFORMATION】
「TASAKI×チェンソーマン」の世界を体感できるポップアップイベントが全国で開催される。スペシャル コラボレーションジュエリーの販売はもちろん、会場には藤本タツキ描き下ろしのスペシャルなビジュアルほか、作中のシーンをピックアップしたディスプレイも展示され、没入感のある空間に。「デインジャー」シリーズの定番商品や2022年の新作も網羅し、革新的でカッティングエッジなジュエリーの数々を実際に手に取って確かめられるチャンスだ。
※スペシャル コラボレーション ジュエリーは、ポップアップストア限定発売となります。
場所・日程
東京:伊勢丹 新宿店 6月29日〜7月5日
TASAKI銀座本店 7月6日~8月2日
大阪:阪急うめだ本店 7月13日~7月19日
名古屋:松坂屋名古屋店 7月27日~8月2日
福岡:岩田屋本店 9月7日~9月13日
問い合わせ先:TASAKI公式サイト
フリーコール:0120-111-446