京都生まれ京都育ちの食いしん坊、京都でおいしいものに出合いたければ、この人に聞けばハズレなし!と、長きにわたり業界の人々が厚い信頼を寄せる、アマジュンこと天野準子さん。今昔とりまぜ、京都ならではの絶品満腹口福アドレスを教えてもらいます。第6回は、おやつとのペアリングも楽しいナチュラルワインバー「ALKAA(アルカー)」を紹介。

TEXT&PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO

 新幹線派はもちろん、飛行機派にとっても京都旅の玄関口となるのが京都駅。今回は、京都旅の始まりや締めくくりに訪れたい京都駅すぐのワインバーを紹介します。

京都駅南「ALKAA(アルカー)」

画像: オレンジの果汁や皮、カラマンシービネガーを使った柑橘香るキャロットラペを添えた自家製ロースハム¥770。豚の脂に負けない厚みのある白、アルザスのピノグリグラス¥1,500

オレンジの果汁や皮、カラマンシービネガーを使った柑橘香るキャロットラペを添えた自家製ロースハム¥770。豚の脂に負けない厚みのある白、アルザスのピノグリグラス¥1,500

 2022年3月、京都駅の南側にオープンしたナチュラルワインに特化したワインバー「ALKAA」。京都駅の新幹線八条口まで徒歩4分という立地に加え、午後2時オープンという営業時間も、旅行者がホテルのチェックイン前や帰路につく前に立ち寄りやすい一軒だ。

画像: 飲食店不毛の地と呼ばれる京都駅の南に、2022年3月オープン

飲食店不毛の地と呼ばれる京都駅の南に、2022年3月オープン

 看板に”ワインとおやつ”と書かれているように、ナチュラルワインの相棒には、シャルキュトリーや前菜だけでなく、焼き菓子やプリンを推奨。夫婦二人で切り盛りされていて、パティシエの妻・堅田恵子さんがおやつ作りを担当している。
 とはいえ、”カフェ使いもできる”ワインバーではなく、コーヒーをはじめ、ソフトドリンクは一切ない。カヌレは、少し皮が厚く、外カリッ、中むっちりな理想の仕上がりでファンも多いが、持ち帰りはできず、あくまでもワインのお供というスタンスを貫いている。

画像: 「辛口だけどドライフルーツのような甘味があり、カヌレの甘味とよく合います」と、店主・堅田さん。発酵が終わったアマローネの澱や絞りかすを混ぜて発酵させたヴァルポリチェッラ・リパッソ・グラス¥1,400。カヌレ¥250。定番菓子にはほかにフィナンシェ、プリン、ガトーショコラがある

「辛口だけどドライフルーツのような甘味があり、カヌレの甘味とよく合います」と、店主・堅田さん。発酵が終わったアマローネの澱や絞りかすを混ぜて発酵させたヴァルポリチェッラ・リパッソ・グラス¥1,400。カヌレ¥250。定番菓子にはほかにフィナンシェ、プリン、ガトーショコラがある

「カヌレには、同じボルドー地方の酸味が強くないコクのある赤や酸化熟成させて造るヴァンジョーヌがよく合います。フィナンシェにはバターの油分を受けとめてくれるオレンジワインがオススメです」と、ソムリエである夫・善孝さん。
 グラスワインは白・赤それぞれ常時5種類、スパークリング2種類、食後酒も数種類用意。自分でボトルを見て選ぶこともできるほか、善孝さんにお任せすれば、出合ったことがないペアリングの妙を堪能できる。

画像: 1階はカウンター7席

1階はカウンター7席

 路地奥の一軒家という隠れ家的なロケーションで、1階はミニマルながら木の温かみを感じるカウンター席。そして2階はアンティークの照明や家具を配した北欧のリビングのようなテーブル席になっていて、どちらも居心地抜群。新幹線の時間までちょっと一杯のつもりが、一本、二本と新幹線の時間を遅らせる人が多いというのもうなづける。

画像: 2階はテーブル席。家のリビングのようなくつろげる雰囲気

2階はテーブル席。家のリビングのようなくつろげる雰囲気

画像: 小窓からちらりと覗くことができる階段下のワインセラー。ナチュラルワインはイタリアやフランスが中心。グラス¥1,200~¥2,200

小窓からちらりと覗くことができる階段下のワインセラー。ナチュラルワインはイタリアやフランスが中心。グラス¥1,200~¥2,200

画像: 店は路地奥にあり。偶然には見つけられないロケーション

店は路地奥にあり。偶然には見つけられないロケーション

ALKAA(アルカー)
住所:京都市南区東九条西山王町15-7
営業時間:14:00~24:00(休みの日の翌日は18:00~)
定休日:不定休(Instagramでお知らせ)
TEL. 070(9017)1507
公式サイトはこちら

画像: 天野準子 生まれてこの方、碁盤の目と呼ばれる京都の街中暮らし。雑誌やWEBで京都にまつわるライティングやコーディネートを行っている。プライベートでは、強靱な胃袋を武器に日々、おいしいものをハント

天野準子
生まれてこの方、碁盤の目と呼ばれる京都の街中暮らし。雑誌やWEBで京都にまつわるライティングやコーディネートを行っている。プライベートでは、強靱な胃袋を武器に日々、おいしいものをハント

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