TEXT&PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO
京都は三方を山に囲まれた盆地であり、とにかく蒸し暑い。今月は、そんな京都の夏の暑さをしばし忘れさせてくれるスポットやメニューを紹介。第二弾は「うめぞの茶房」のかき氷をご案内します。
西陣「うめぞの茶房」
京都通のなかには「”うめぞの”って昔からある甘味処でしょ」と気づかれた方もいるのでは。はい、ご名答。こちらは、1927年創業の「甘党茶屋 梅園」の系列店として2016年にオープンした茶房だ。とはいえ、名物の四角いみたらし団子はなく、「甘党茶屋 梅園」とはまったく異なるメニュー展開になっている。
夏期限定で登場するかき氷も、宇治や黒蜜など、甘味処でお馴染みの味はなく、フルーツと和素材を組み合わせたオリジナリティ溢れるものに。果物の旬に合わせて内容は移り変わり、今の時期は、一番人気の「新しょうがと桃の志るこ氷」が楽しめる(桃がなくなる8月下旬まで)。
新しょうがの蜜がかかった氷は、キンッと冷えた冷やしあめみたいな味わいに。食べ進め、ピリリッと新しょうがの辛さが効いてきたころに、氷の中からこしあんが現れ、まろやかな甘さが押し寄せる。さらにフレッシュな桃を頬張ると、みずみずしさが口いっぱいに広がり、また氷にスプーンがのび・・・の無限ループだ。
「新しょうがと桃の志るこ氷」の後は、「秋の果物とはちみつ志るこ氷」、「栗キャラメルミルク氷」と続くそうで、そちらもお楽しみ。
かき氷を注文する際は、「うめぞの茶房」の名物、かざり羹もセットで是非。レモンやカカオ、紅茶など、餡にさまざま素材を合わせ、寒天とわらび粉で固めたオリジナル菓子で、ゼリーのプルプル感と水ようかんのなめらかさが同時に味わえる食感も楽しい。トッピングも可愛く、洋菓子のような可愛さだ。
「甘党茶屋 梅園」は3代目となる西川葵さんの代になってから、店舗が増え、現在は京都市内に6店舗、展開されている。「フルーツを使ったり、洋菓子の要素を取り入れたり、新しい菓子やメニューに挑戦したいと思った時『甘党茶屋 梅園』を好きで来られる方は変わらない味を求めていらっしゃると気づいて。それならばまったく違うスタイルの店を作ろうと思ったんです」と、西川さん。
「うめぞの茶房」以外に、うっとりするような口溶けの抹茶ホットケーキを名物にした「うめぞの CAFE & GALLERY」もあり。
ジェイアール京都伊勢丹内の「梅園 oyatsu」では、みたらしバターサンドやあんマドレーヌなど、和洋折衷な菓子を販売しているので、新幹線に乗る前のお土産調達にもおすすめだ。
「うめぞの茶房」
住所:京都市北区紫野東藤ノ森町11-1
営業時間:11:00~18:30(18:00LO)
定休日:無休
TEL. 075-432-5088
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