京都生まれ、京都育ちの食いしん坊、京都でおいしいものに出合いたければ、この人に聞けばハズレなし!と、長きにわたり業界の人々がブ厚い信頼を寄せる、アマジュンこと天野準子さん。今昔とりまぜ、京都ならではの絶品満腹口福アドレスを教えてもらいます。第27回は、「京都 くりや」をご案内します

TEXT&PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO

 実りの秋到来!秋の味覚はいろいろあれど、やっぱり気になるのは栗。京都の老舗和菓子店や人気パティスリーでも栗の菓子が登場し始めている今月は今しか楽しめない栗のスイーツを紹介。第1弾はその名もズバリ「京都 くりや」をご案内します。

堀川丸太町「京都 くりや」

画像: 栗おはぎ2個入り¥560。予約は前日まで可能

栗おはぎ2個入り¥560。予約は前日まで可能

 栗の産地として知られる丹波にあった「くりや」の暖簾分けとして大正年間に創業。店名通り、店内には栗最中や栗どらやき、栗クッキーなどが並び、まさに栗づくし!中でも今の時期オススメしたいのが、秋限定の「栗おはぎ」だ。

画像: 大看板は店名ではなく、銘菓「金の実」と書かれている

大看板は店名ではなく、銘菓「金の実」と書かれている

 「栗おはぎ」は元々、秋の収穫を祝い、丹波の家庭で作られていた菓子だそうで、店でも昔は1年に1日のみ販売されていたそう。

 餅米の周りは小豆のあんこではなく、栗餡を使用。丹波産の新栗を皮ごと蒸し、実をかき出し、なめらかになるまで裏ごしし、砂糖を加えて炊き上げた手間暇かかった餡に。栗の風味がダイレクトに味わえ、もっちりとした餅米ともよく合い、食べ応えも満点だ。

 毎秋、販売が開始するのを心待ちにしているファンも多く、週末には開店前から列ができ、午前中に売り切れてしまうことも多いそう。

画像: 「金の実」6個入り袋入り¥1,259。贈答用の木箱入り¥1,750もあり

「金の実」6個入り袋入り¥1,259。贈答用の木箱入り¥1,750もあり

 「栗おはぎ」以外の商品は一年を通して販売されていて、銘菓「金の実」はダントツ人気に。

画像: 大粒の国産栗をふっくら炊き、蜜に漬け込んだ栗の甘納豆

大粒の国産栗をふっくら炊き、蜜に漬け込んだ栗の甘納豆

 蜜の濃度を徐々に上げながら、栗を密漬けにし、中にまでしっかり甘みを入れた後、乾燥させた和のマロングラッセ。素朴な味わいで、ホクホクしっとりした食感も楽しい。一粒づつ黄金色のフィルムに包まれたその姿も可愛く、京都土産にも是非。

画像: 熟練の技で、黄金フィルムに素早く包まれていく「金の実」

熟練の技で、黄金フィルムに素早く包まれていく「金の実」

画像: 店は火災に見舞われ、10ヶ月休業していたが、昨年11月に再開。店内も真新しい

店は火災に見舞われ、10ヶ月休業していたが、昨年11月に再開。店内も真新しい

京都 くりや
住所:京都市中京区丸太町通堀川東入大文字町42-4
営業時間:9:00~18:00(日曜・祝日10:00~15:00)
定休日:月曜(祝日の場合、翌日休)
TEL. 075-231-4564
公式サイトはこちら

画像: 天野準子 生まれてこの方、碁盤の目と呼ばれる京都の街中暮らし。雑誌やWEBで京都にまつわるライティングやコーディネートを行っている。プライベートでは、強靱な胃袋を武器に日々、おいしいものをハント

天野準子
生まれてこの方、碁盤の目と呼ばれる京都の街中暮らし。雑誌やWEBで京都にまつわるライティングやコーディネートを行っている。プライベートでは、強靱な胃袋を武器に日々、おいしいものをハント

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