TEXT&PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO
実りの秋到来!秋の味覚はいろいろあれど、やっぱり気になるのは栗。京都の老舗和菓子店や人気パティスリーでも栗の菓子が登場し始める今月は今しか楽しめない栗のスイーツを紹介。第2弾は創業200年を超す和菓子の老舗「亀末廣」をご案内します。
烏丸御池「亀末廣」
文化元年(1804年)創業、7代続く和菓子店。二条城や御所に菓子を納めていた由緒正しい老舗であり、間口の広い堂々とした店構えからも風格が漂っている。今の時代、店を訪れずして商品を手に入れられることが増えたが、こちらはいまだ支店を持たず、ネット販売も行わず、一対一の商いが大切にされている。
代表銘菓「京のよすが」をはじめ、端正な佇まいの菓子を求め、一年を通して茶人や粋人に支持される店だが、9月も後半になると「もうそろそろ栗は始まっていますか」という問い合わせが増え、一層にぎわいをみせる。
こちらの栗きんとんは、こしあんを餡玉に栗と備中白小豆を使った柔らかなそぼろ餡が纏わせてあり、なめらかな口当たりに。しっかり甘いが、その甘さが栗を引き立て、ほのかな苦みなど、和栗本来の味が存分に楽しめる。
そして、栗きんとんと並び、今の時期に人気なのが、栗蒸し羊羹「竹裡(ちくり)」。栗きんとんは上生菓子のなかでも崩れやすく、京都土産にするには気を遣うが、栗蒸し羊羹「竹裡(ちくり)」は発送も可能だ。
1本に10個以上、和栗が使われていて、どこを切っても栗がゴロゴロお目見え。小豆のさらし餡に小麦粉と葛粉、砂糖を混ぜて蒸し上げた羊羹はむっちりとした食感で、ホクホクの栗とも好コントラスト。練り羊羹よりもあっさりと、甘ったるさもなく、甘いものが苦手な人も親しみやすい味わいだ。
栗きんとんも栗蒸し羊羹も早ければ10月いっぱい、遅くても11月初旬には終了してしまうので、お早めに!
亀末廣
住所:京都府京都市中京区 姉小路通烏丸東入車屋町
営業時間:9:00~17:00
定休日:日曜、祝日
TEL. 075-221-5110