神秘的なストーン・サークル、古城ホテルにシングルモルト。イギリス最後の自然と伝統を残しつつ、地元の食材を生かした“世界レベル”の新鋭レストランが次々出現。憧れのデスティネーション、へブリディーズ諸島をガイド

BY MICHAELA TRIMBLE, TRANSLATED BY IZUMI SAITO

<EAT>

「スリー・チムニーズ」
スカイ島の「スリー・チムニーズ」は、その33年の歴史の中で、伝統的スコットランド料理に革命を起こしてきた。シェフを務めるスコット・デイヴィスのスローフードの哲学は、地元の漁師や農家から仕入れる、旬を極めた食材に体現される。カニ、ロブスター、ランゴスチンなど、メニューに並ぶ魚介類の多くは、レストランから1マイル足らずの所にあるダンヴェガン港から届けられる。近隣の農家から仕入れたセロリの灰焼きとビーツの炭火焼を添えた、デイヴィスによるスカイ島のアカシカ料理。そのジビエ肉さえも、地元のものだ。石壁がむき出しのダイニングルームは、まるで友人宅を訪れたかのような温かな雰囲気に包まれる。その隣に6室ある全客室からは、ダンヴェガン湖を見渡すことができる。
www.threechimneys.co.uk

画像: スカイ島のレストラン「スリー・チムニー」のキッチン前のテーブル席 PHOTOGRAPH BY ANGUS BREMNER

スカイ島のレストラン「スリー・チムニー」のキッチン前のテーブル席
PHOTOGRAPH BY ANGUS BREMNER

「ロック・ベイ・レストラン」
スカイ島北西部のウォーターニッシュ半島、古くはノース人の漁村であったステインに、ミシュラン星付きのレストラン「ロック・ベイ」はある。この居心地のよいレストランで、シェフのミカエル・スミスが提供するのは、フレンチのアレンジを加えた現代的スコットランド料理だ。プランクトンが豊富なスリガチャン湖で獲れるスコンサー・ホタテだけでなく、ロブスターとエビ(リンゴとソレルの葉、ポテトスコーンが添えられる)も味わえる、全5皿のシーフードコースがおすすめ。郷土料理をベースにした、ショートリブの煮込み、ニープ(黄かぶのマッシュ)とシボース(スコットランドの春タマネギ)を添えた牛肉の炭火焼きもお忘れなく。
www.lochbay-restaurant.co.uk

「キンロック・ロッジ」
ハイランド地方のマクドナルド一族の狩猟用の別荘として16世紀に建てられた、ホテル兼レストラン。スカイ島の白樺の原生林を抜けた先の、ダル湖のほとりに佇み、今も300年にわたるマクドナルド家の肖像画が飾られている。伝統的なスコットランド食材へのリスペクトに溢れるそのレストランは、ブラジル系スコットランド人シェフのマルセロ・タリーが監修する。代表的な料理には、ストーノウェイ産のブラッドソーセージ、ビーツ、サワークリームを添えた野生の鳩の胸肉のたたき、カシューナッツとブラックオリーブのタプナード、フランス風ポテトドーナツを添えたブラック島のラムステーキがある。建物に3つある応接室の一室で提供されるアフタヌーンティーでは、ジャムとホイップバニラクリームを塗り重ねた、キンロック名物のスコーンが楽しめる。
kinloch-lodge.co.uk

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