神秘的なストーン・サークル、古城ホテルにシングルモルト。イギリス最後の自然と伝統を残しつつ、地元の食材を生かした“世界レベル”の新鋭レストランが次々出現。憧れのデスティネーション、へブリディーズ諸島をガイド

BY MICHAELA TRIMBLE, TRANSLATED BY IZUMI SAITO

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「キャロウェイ・ミル」
ハリスツイードがアウター・ヘブリディーズ諸島で最も有名な輸出品であることは、ほぼ間違いないだろう。この手織りの布はハリス島にちなんで名付けられてはいるが、世界でたった3つしかないハリスツイードの工場は隣接するルイス島にある。3つのうち最も小さい工場のキャロウェイ・ミルでは、70年物のハッタースリーと呼ばれる織機により、混じりけのないウールの原毛から何世代にも渡って受け継がれてきたスコットランド工芸品のツイードが生まれる。工場ではワークショップや機織のデモンストレーションが体験できる他、併設するショップでは本物のハリスツイードを使用したスーツ、チェック柄のスカーフ、タータン柄のベッドカバーも購入可能。
www.thecarlowaymill.com

「ショアライン・ストーンウェア」
アウター・ヘブリディーズ諸島のノース・ウイスト島に自身の工房兼ギャラリーを構える、陶芸家ルイーズ・クック。海に囲まれたその環境からインスピレーションを得て、有機的な彫刻やテーブルウェアを制作・販売する。満潮の後には、近くの浜辺から流木や貝殻ーーリンペット、カウリー、ドック・ウェルクーー を拾い集め、クレイのボウルや花瓶に押し当てては、その質感を写し取る。美しい自然由来の釉薬は、クックの家族の畑で集められた岩の堆積物から作られている。
shoreline-stoneware.co.uk

画像: (左)ノース・ウイスト島に工房兼ショップ「ショアライン・ストーンウェア」を構える、陶芸家ルイーズ・クックのストーンウェアの器 (右)海草の縁取りが精巧な、エンボス加工された器の数々 PHOTOGRAPHS BY LOUISE COOK

(左)ノース・ウイスト島に工房兼ショップ「ショアライン・ストーンウェア」を構える、陶芸家ルイーズ・クックのストーンウェアの器
(右)海草の縁取りが精巧な、エンボス加工された器の数々
PHOTOGRAPHS BY LOUISE COOK

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「アイル・オブ・ハリス・ディスティラリー(ハリス島蒸留所)
2015年にオープンしたアイル・オブ・ハリス・ディスティラリーは、ハリス島で初となる合法的なウイスキー蒸留所だ。「ソーシャルな蒸留所」として知られ、10人のハリス島民で結成されたチームにより設立され、島の第一世代のウイスキーメーカーになるべく、一から訓練を受けた地元出身の5人の酒造家を誇りとする。シングルモルトウイスキー熟成中の需要に応えるために造り始めたジンは、賞も受賞した。おすすめは、昆布を使って蒸留したスピリッツ。中でもシュガー・ケルプ(昆布の一種)が潮の香りを生み出すジン・トニックは絶品。
www.harrisdistillery.com

画像: ハリス島蒸留所 PHOTOGRAPH BY LAN LITTLE

ハリス島蒸留所
PHOTOGRAPH BY LAN LITTLE

「タイ・チアサバーグ・ミュージアム&アート・センター」
ロックマディの潮汐湾を見下ろす岩肌の上に建つ18世紀の宿屋は、今ではアウター・ヘブリディーズ諸島の南北ウイスト島における芸術コミュニティの中心地だ。地元のアーティストによる現代アート、フィルム、詩などの作品を展示し、一年を通して伝統音楽と文学のイベントを開催する。島固有の文化を守るという使命の一環として、地元の大学と提携してゲール語のレッスンも行う。
www.taigh-chearsabhagh.org

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