COURTESY OF RAEN WINERY


 今、ワインの世界で一番ホットな話題といえば、なんといってもカリフォルニアの「RAEN(レイン)」だろう。2013年にソノマ・コーストに設立されたワイナリーで、ピュアな果実味と繊細な酸味の“美しい味”で、早くも熱狂的なファンを増やし続けている。

「レイン」とは「Research in Agriculture and Enology Naturally」の頭文字をつなげた造語で、ブドウの樹の命の源となるRain(雨)を掛けている。ブドウ栽培では除草剤などの化学薬品はいっさい使わず、自然酵母を用いてゆっくりと発酵させる。昔ながらのブルゴーニュスタイルで造るワインは、ナチュラルで味わい深く、体にすっとなじむような感覚だ。




RAENのあるソノマ・コーストのぶどう畑。

日照量が多い急斜面の畑は、朝には濃い霧に包まれる

COURTESY OF RAEN WINERY



 造り手は、カルロ・モンダヴィとダンテ・モンダヴィの兄弟。カリフォルニアワインを牽引し、“カリフォルニアの巨人”と呼ばれた故ロバート・モンダヴィを祖父に、「オーパス・ワン」の初代醸造責任者で、現在は新たなカルトワインと評される「コンティニュアム」のオーナー、ティム・モンダヴィを父に持つカリフォルニアワイン界きってのサラブレッドだ。祖父や父の元でワイン造りを学び、ブルゴーニュでも研鑽を積んだという彼らが、なぜ自分たちだけのワイナリーを立ち上げたのだろうか。


 

 

モンダヴィ家長男のカルロ(右)とダンテ(左)。

「ソノマ・コーストは世界のトップクラスに匹敵する

テロワールをもつと自負しています」とカルロ

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 現在、「レイン」の醸造責任者を務めるカルロ・モンダヴィはこう語る。

「ソノマのテロワールを反映させた、ワールドクラスのピノ・ノワールを造りたいと思ったのです。もともと、父がカリフォルニアにおけるピノ・ノワールの先駆者で、その素晴らしさを身近に感じて育ったことも理由のひとつです。ただ、『ピノ・ノワールを造る』と決心したのは、研修先のブルゴーニュのドメーヌでのこと。ブラインドテイスティング用ワインのひとつとして、かつて父が造った1974年と78年のピノ・ノワールを飲んだのがきっかけでした。父のワインだと知ったのは試飲後のこと。本当に素晴らしくて、カリフォルニアでもブルゴーニュに負けないワインが造れるのだと感動しました」




日照量の多いカリフォルニアではぶどうが甘くなりがちだが、

RAENではホールクラスター(ぶどうの房のまま発酵させる製法)によって

果実味やミネラリティ、なめらかなタンニンを感じさせる

バランスのとれたワインをつくっている

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