京都迎賓館で初の試みとなった「菊花彩る重陽のおもてなし」。京都と日本が誇る伝統文化の粋を体験する貴重なイベントをレポート

BY FUMIKO YAMAKI, PHOTOGRAPHS BY TERUO UKITA

 プログラムの幕開けは、能楽シテ方・金剛流の若宗家、金剛龍謹氏による能「枕慈童」。菊の酒で七百歳の齢を保った少年が清々しく舞う、重陽の節句にふさわしい演目だ。菊が咲きほこる舞台面も華やかで、軽快に踏みならされる足拍子が常若の少年の生命力を感じさせる。

画像: 能「枕慈童」 金剛流はシテ方五流派のうち、関西に宗家が在住する唯一の流儀。晩餐会や歓迎行事の会場に使われる、最も広い「藤の間」の檜の舞台で演じられた

能「枕慈童」
金剛流はシテ方五流派のうち、関西に宗家が在住する唯一の流儀。晩餐会や歓迎行事の会場に使われる、最も広い「藤の間」の檜の舞台で演じられた
 

 能に続いては、茶道裏千家、業躰(指導者)による呈茶の実演。最初に出される「着せ綿」という生菓子は真綿をかぶせた菊の花をかたどっており、これも重陽の節句の定番。掛け軸やお花、釜もそれぞれに季節にちなんだしつらえだ。参加者のひとりひとりにお茶がふるまわれ、やや緊張しながらいただくのも心地よい体験。

画像: 目の前で実演される裏千家のお点前。「作法などあまり難しく考えず、点てる側と客側が心を一にして楽しむことが大切です」との解説が

目の前で実演される裏千家のお点前。「作法などあまり難しく考えず、点てる側と客側が心を一にして楽しむことが大切です」との解説が
 

画像: 「五雲」の掛け軸は五色の雲を表し、おめでたい席で使われる

「五雲」の掛け軸は五色の雲を表し、おめでたい席で使われる
 

 また館内のそこここには、京都いけばな協会の五流派による、華やかな生け花が美しさを競っている。さらに館内のガイドツアーもついて、たっぷり2時間。建築というハードを見るだけでなく、濃密なソフトがともなうことで参加した人の記憶に残る体験イベントに。今回が初の試みだが、二日間で600人の定員がほぼ満員となった。

画像2: 一級の伝統芸能を
国賓気分で味わう
京都迎賓館の“おもてなし”

 

画像: 同じ菊の花を使いながら、さまざまな趣向で違った美しさを見せてくれる生け花。協力した流派は、遠州、華道本能寺、桑原専慶流、専慶流、都未生流

同じ菊の花を使いながら、さまざまな趣向で違った美しさを見せてくれる生け花。協力した流派は、遠州、華道本能寺、桑原専慶流、専慶流、都未生流
 

 今後も折々の節句にちなみ、京都らしい趣きに富んだイベントを開催したいと、関係者も意欲的だ。京都南ロータリークラブ会長の千振和雄さんは、「京都の伝統文化を体験してもらう意義深いイベント。今後も協力していきたい」と話す。

画像: 木乃婦の高橋拓児さん(写真左)と京都南ロータリークラブ会長の千振和雄さん(写真右)。「このイベントに協力できたことは光栄です。京都の持つ魅力を、広く知っていただく一助になれば」と話す

木乃婦の高橋拓児さん(写真左)と京都南ロータリークラブ会長の千振和雄さん(写真右)。「このイベントに協力できたことは光栄です。京都の持つ魅力を、広く知っていただく一助になれば」と話す
 

 次回はまだ未定だが、日本、そして京都が発信する本物の伝統文化を、国賓になった気分で体感できる貴重な機会を、ぜひ見逃さないでほしい。

 

問い合わせ先
京都迎賓館
電話:075(223)2302(24時間 自動音声案内)
   075(223)2301(有人案内 /
   平日 9:30 から 17:00 まで。土日祝日は公開日のみ対応)
   ※電話での参観の申込みは不可
公式サイト

 

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