70歳以上の女性アーティスト16名が集結する森美術館の『アナザーエナジー展』。今、なぜ世界は彼女たちに注目するのか?

BY YURIKO YAMAKI(P2, P4~5), EDITED BY JUN ISHIDA

割れるオブジェで、情報や大量消費社会の儚さを表現する
KIMIYO MISHIMA(三島喜美代)
大阪・十三(じゅうそう)を拠点に制作する三島喜美代。日常にあふれる情報や大量消費社会に着目し、1970年代以降は陶で創った新聞やゴミのインスタレーションを発表している。

画像: 三島喜美代(KIMIYO MISHIMA) 1932年大阪市生まれ。中学時代に油彩を始め、三島茂司に師事。卒業後、独立美術協会の独立展に出品する。1950年代後半からは印刷物や廃品を用いたコラージュ、油彩など、実験的な平面作品を発表。’73年以降、陶にシルクスクリーンで印刷を施す立体作品を制作。’86年から約1年間、ロックフェラー財団の奨学金によりニューヨークに滞在する。帰国後は岐阜県土岐市にもアトリエを構える。展覧会では、陶で創った作品のほか、60年代に制作された平面のコラージュ作品も登場する COURTESY OF MORI ART MUSEUM

三島喜美代(KIMIYO MISHIMA)
1932年大阪市生まれ。中学時代に油彩を始め、三島茂司に師事。卒業後、独立美術協会の独立展に出品する。1950年代後半からは印刷物や廃品を用いたコラージュ、油彩など、実験的な平面作品を発表。’73年以降、陶にシルクスクリーンで印刷を施す立体作品を制作。’86年から約1年間、ロックフェラー財団の奨学金によりニューヨークに滞在する。帰国後は岐阜県土岐市にもアトリエを構える。展覧会では、陶で創った作品のほか、60年代に制作された平面のコラージュ作品も登場する
COURTESY OF MORI ART MUSEUM

――「情報」や「大量消費社会」というテーマに関心を抱いたきっかけは?
 私が30代の頃、世の中が情報と騒ぎ始めました。当時は平面に新聞やチラシを貼ったコラージュ作品を制作していましたが、情報が氾濫する中に埋没する不安みたいなものを表現するには、もうひとつピンとこなかったんです。あるとき、落ちたり踏んだりしたら割れる新聞などを創れば面白いのではと思ったんですね。割れることで、不安感や恐怖感、そして儚はかなさが出るのではと。とはいえ、私は陶芸家ではないので、技術的なことはわからなかったのですが、手探りで始めてみました。自己流なので失敗も多かったですが、その過程もまた面白くてのめり込んでゆきました。

―― 陶に転写する新聞やモノはどのような基準で選んでいるのですか?
 日常や旅先で見つけた、自分と関係のあるものや面白いと思ったものです。アメリカに行ったときは、購入した新聞やレストランの裏口に捨ててあった廃品をトランクいっぱいに入れて持ち帰ったことがありました。笑われましたが、それを見つけたときは何しろ嬉しくて夢中だったものですから。

画像: 三島喜美代《作品 92-N》1990-1992年 陶にシルクスクリーン印刷 227×490×390cm 陶製の新聞を積み重ねた大型インスタレーション。東京にある「ART FACTORY城南島」で、三島の代表的な作品とともに常設展示されている PHOTOGRAPH BY SHIGEO OGAWA

三島喜美代《作品 92-N》1990-1992年 陶にシルクスクリーン印刷 227×490×390cm
陶製の新聞を積み重ねた大型インスタレーション。東京にある「ART FACTORY城南島」で、三島の代表的な作品とともに常設展示されている
PHOTOGRAPH BY SHIGEO OGAWA

―― 制作の原動力は?
 創るのが面白くて、遊びでやってるような感じです。でも命がけの遊び。命がけのペースで走る心地よさというか。身体はクタクタなのになぜ創るのかと自分でも思いますが、これで私は生かされてるという感じもあります。音楽をワーッとかけながら、それにノッて創っています。何をしようかと考えているときは音楽も何も要らないんですけどね。

―― 展覧会では古いタンクと陶の新聞を用いた新作を発表すると聞きました。
 タンクは、ずっと昔に廃品屋さんへ行ったときに見つけたもので、無性に欲しくなったんです。何にするということも考えずに買って、置いておきました。タンクがボロボロになって底が抜けたりしているのを見ているうちに、新聞の作品を入れてひっくり返したら面白いなと。

画像: 三島喜美代《作品 19-C5》2019年 シルクスクリーン印刷した陶に手彩色、鉄 サイズ可変 陶で創った空き缶を既存のゴミ箱に入れた作品。鮮やかな色彩が本物の空き缶と見まごう COURTESY OF TAKA ISHII GALLERY

三島喜美代《作品 19-C5》2019年 シルクスクリーン印刷した陶に手彩色、鉄 サイズ可変
陶で創った空き缶を既存のゴミ箱に入れた作品。鮮やかな色彩が本物の空き缶と見まごう
COURTESY OF TAKA ISHII GALLERY

―― 今、最も表現してみたいことは?
 私はやっぱり「現代」を意識して作品を創っています。生きている時代を表現できたらなあと。難しいことはわかりませんので、理論立ててということではできないんですが、いまだにアートが何かがわからないんですよ。ずっと暗中模索です。最後までわからないんじゃないかなという気がしますね。

<TJメンバーズ限定>
森美術館『アナザーエナジー展』特別鑑賞会に
抽選で25組50名様をご招待
開館前のAM9:30~10:00、T JAPAN貸切にてゆったりとご鑑賞いただくことができる特別鑑賞会にご招待します。

森美術館『アナザーエナジー展』T JAPAN 特別鑑賞会
開催日時:2021年5月14日(金)9:30~10:00 ※10:00の開館後も滞在、鑑賞いただけます。
応募期間:4月15日(木)~25(日)
当選者には、4月28日(水)までにメールでご連絡いたします。
※ 応募期間は終了いたしました

・お一人様ご応募は1回までとさせていただきます。
・権利の譲渡はご遠慮ください。

※ ご応募には「TJメンバーズ」への登録が必要です。すでに会員登録がお済の方は、アカウントへログインのうえご応募ください。

『アナザーエナジー展:挑戦しつづける力 ー世界の女性アーティスト16人』
会期:2021年4月22日(木)〜9月26日(日)
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53階
開館時間:<4/22~5/11日まで>10:00~20:00(火曜〜17:00、5月4日(火・祝)〜20:00まで)
※ 入館は閉館の30分前まで。会期中、開館時間が変更になる場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください
休館日:会期中無休
チケット購入:事前予約制(日時指定券)を導入。専用オンラインサイトから「日時指定券」のご購入・予約可。 当日、日時指定枠に空きがある場合は、事前予約なしで入館も可能。料金詳細はこちらをご確認ください
電話:03(5777)8600(ハローダイヤル)

※ 新型コロナウイルス感染予防に関する来館時の注意、最新情報は公式サイトを確認ください

※ 掲載商品の価格は、特に記載がないかぎり、「税込価格」で表示しています。ただし、2021年3月18日以前に公開した記事については「本体価格(税抜)」での表示となり、 掲載価格には消費税が含まれておりませんのでご注意ください。

 

This article is a sponsored article by
''.