70歳以上の女性アーティスト16名が集結する森美術館の『アナザーエナジー展』。今、なぜ世界は彼女たちに注目するのか?

BY YURIKO YAMAKI(P2, P4~5), EDITED BY JUN ISHIDA

太平洋の島民たちとコラボレーションして制作する絵画
ROBIN WHITE(ロビン・ホワイト)
ニュージーランドと近海の島々を拠点にしながら、さまざまな画材を用いた絵画や版画などを手がけてきたロビン・ホワイト。1980年代以降は、キリバスやフィジー、トンガの作家とコラボレーションしながら制作している。

画像: ROBIN WHITE(ロビン・ホワイト) 1946年ニュージーランド生まれ。オークランド大学エラム美術学校で主にコリン・マッカホンに師事し、1970年代にモダニズムの画家として知られるようになる。’82年にキリバス共和国に移住し、’99年まで滞在。現地での経験を経て、個人の創作から地域の人々との共作へと作風が変化した。ニュージーランドに帰国後も、伝統的なバーククロスを用いた絵画をフィジー共和国やトンガ王国の作家と共に制作している COURTESY OF MCLEAVEY GALLERY, WELLINGTON/PHOTOGRAPH BY HARRY CULY

ROBIN WHITE(ロビン・ホワイト)
1946年ニュージーランド生まれ。オークランド大学エラム美術学校で主にコリン・マッカホンに師事し、1970年代にモダニズムの画家として知られるようになる。’82年にキリバス共和国に移住し、’99年まで滞在。現地での経験を経て、個人の創作から地域の人々との共作へと作風が変化した。ニュージーランドに帰国後も、伝統的なバーククロスを用いた絵画をフィジー共和国やトンガ王国の作家と共に制作している
COURTESY OF MCLEAVEY GALLERY, WELLINGTON/PHOTOGRAPH BY HARRY CULY

―― 今回出品する作品は?
 2点ありますが、どちらも過去20年間に制作したコラボレーション作品です。一つは大型の作品で、タイトルは《大通り沿いで目にしたもの》。桑の木を原料としたバーククロス(別名タパ)という樹皮布を使用しています。もう一つは、日本人作家の飯村惠以子と共作した《夏草》という作品です。タイトルは松尾芭蕉の句からとりました。第二次世界大戦中、ニュージーランドにアメリカ軍の捕虜収容所があったのですが、そこに収容された日本軍兵士48人が1943年に亡くなった事件(フェザーストン事件)に触発されて制作しました。

―― 作風がモダニズムから土着的なものに変化したようですが。
 子どもの頃から描くことが好きで、高校と大学でアートを学びました。絵画にフォーカスしたのは、ミステリアスで取り組むのが難しいものだからです。最初は絵を教えながら、少しずつ絵を生業とできるようになり、結婚後に絵画制作に専念するようになった頃、バハイ教の団体から呼ばれてキリバスへ移住しました。キリバスでは、油彩用の画材が手に入りにくく、版画のほうが持ち運びしやすいという実質的な理由で、版画制作を始めました。

画像: ロビン・ホワイト&ルハ・フィフィタ《大通り沿いで目にしたもの》(「コ・エ・ハラ・ハンガトゥヌ:まっすぐな道」シリーズより)2015-2016年 顔料、植物染料、バーククロス(樹皮布) 2,400×380cm トンガの作家ルハ・フィフィタとの共同制作。長さ24メートルのバーククロスにキリスト教や自身が信仰しているバハイ教のシンボル、身の回りのものや植物などが描かれている COURTESY OF MCLEAVEY GALLERY, WELLINGTON/PHOTOGRAPH BY MICHAEL FUDAKOWSKI

ロビン・ホワイト&ルハ・フィフィタ《大通り沿いで目にしたもの》(「コ・エ・ハラ・ハンガトゥヌ:まっすぐな道」シリーズより)2015-2016年 顔料、植物染料、バーククロス(樹皮布) 2,400×380cm
トンガの作家ルハ・フィフィタとの共同制作。長さ24メートルのバーククロスにキリスト教や自身が信仰しているバハイ教のシンボル、身の回りのものや植物などが描かれている
COURTESY OF MCLEAVEY GALLERY, WELLINGTON/PHOTOGRAPH BY MICHAEL FUDAKOWSKI

―― お父さんはニュージーランドの先住民マオリだそうですね。
 子どもの頃から自分のルーツがマオリでもあることを意識していて、その文化にも触れ、特に海に接することが多かったです。父は近隣の島々の人と親しくしていました。そうした環境が、のちのキリバスやトンガ、フィジーの作家との共作に結びついたと思います。

―― キリバスの人々とコラボレーションを始めたきっかけは?
 スタジオを火事で失ってしまったあと、地元の人々に伝統的なアートを教えてもらいました。最初はマットを一緒に編むというものでした。この経験から多くのことを学び、以来共作を続けています。私のアートは自分の環境の変化に応じて変わってきました。

画像: ロビン・ホワイト&飯村惠以子《夏草》2001年 油彩、壁紙 156×624cm 飯村惠以子との共作。古い壁紙を用いた12枚のパネルに油彩で静物を描いた 所蔵:アラトイ・ワイララパ美術館・歴史博物館(マスタートン)

ロビン・ホワイト&飯村惠以子《夏草》2001年 油彩、壁紙 156×624cm 
飯村惠以子との共作。古い壁紙を用いた12枚のパネルに油彩で静物を描いた
所蔵:アラトイ・ワイララパ美術館・歴史博物館(マスタートン)

―― 創作を続けてきたエネルギーの源泉は?
 困難な問題に挑戦すること、危険を冒すことです。多分、キリバスに行かないほうが楽だったでしょうが、困難を恐れずに、それまでとは違うことに取り組むことにしました。常に目の前に現れる問題を再検討し、次のステップにつなげる機会を模索してきました。

<TJメンバーズ限定>
森美術館『アナザーエナジー展』特別鑑賞会に
抽選で25組50名様をご招待
開館前のAM9:30~10:00、T JAPAN貸切にてゆったりとご鑑賞いただくことができる特別鑑賞会にご招待します。

森美術館『アナザーエナジー展』T JAPAN 特別鑑賞会
開催日時:2021年5月14日(金)9:30~10:00 ※10:00の開館後も滞在、鑑賞いただけます。
応募期間:4月15日(木)~25(日)
当選者には、4月28日(水)までにメールでご連絡いたします。
※ 応募期間は終了いたしました

・お一人様ご応募は1回までとさせていただきます。
・権利の譲渡はご遠慮ください。

※ ご応募には「TJメンバーズ」への登録が必要です。すでに会員登録がお済の方は、アカウントへログインのうえご応募ください。

『アナザーエナジー展:挑戦しつづける力 ー世界の女性アーティスト16人』
会期:2021年4月22日(木)〜9月26日(日)
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53階
開館時間:<4/22~5/11日まで>10:00~20:00(火曜〜17:00、5月4日(火・祝)〜20:00まで)
※ 入館は閉館の30分前まで。会期中、開館時間が変更になる場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください
休館日:会期中無休
チケット購入:事前予約制(日時指定券)を導入。専用オンラインサイトから「日時指定券」のご購入・予約可。 当日、日時指定枠に空きがある場合は、事前予約なしで入館も可能。料金詳細はこちらをご確認ください
電話:03(5777)8600(ハローダイヤル)

※ 新型コロナウイルス感染予防に関する来館時の注意、最新情報は公式サイトを確認ください

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