4月15日から開幕する2023年のKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭は、「BORDER(境界線)」をテーマに、京都市内の各所で14プログラムが開催。その見どころを紹介する

BY MASANOBU MATSUMOTO

 いまでは春の京都の風物詩となった国際写真祭「KYOTOGRAPHIE」。11回目となる今年も、京都市内の歴史的建築物や町家などを会場に、視覚芸術として、あるいは現代社会の一片を映し出すメディウムとしての、写真の豊かな可能性を感じさせる作品が並ぶ。

画像: 石内 都《Mother’s #57》 COURTESY OF THE THIRD GALLERY AYA © ISHIUCHI MIYAKO

石内 都《Mother’s #57》
COURTESY OF THE THIRD GALLERY AYA
© ISHIUCHI MIYAKO

画像: 頭山ゆう紀 シリーズ〈境界線13〉より © YUHKI TOUYAMA

頭山ゆう紀 シリーズ〈境界線13〉より
© YUHKI TOUYAMA

「誉田屋源兵衛」では、日本を代表する写真家・石内都と80年代生まれの頭山ゆう紀の二人展。こちらはケリング社の「ウーマン・イン・モーション」の一環として企画されたもので、世代の異なる二人の女性のまなざしが、はたしてどのような共振をみせるか、期待が湧く。「二条城 二の丸御殿台所・御清所」では、現在、東京都現代美術館の『クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ』展にも作品を提供している高木由利子。他にも、ウクライナ出身の巨匠ボリス・ミハイロフ(会場:「藤井大丸ブラックストレージ」)、2022年に京都に滞在制作し京都のティーンエイジャーを撮影したココ・カピタン(会場:「ASPHODEL」)らも参加する。

画像: 高木由利子が『クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ』に出展している作品 ©︎ Yuriko Takagi / DIOR

高木由利子が『クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ』に出展している作品
©︎ Yuriko Takagi / DIOR

画像: ボリス・ミハイロフの作品 © BORIS MIKHAILOV,VG BILD-KUNST, BONN.

ボリス・ミハイロフの作品
© BORIS MIKHAILOV,VG BILD-KUNST, BONN.

 京都に拠点を置くフォトジャーナリスト・松村和彦の展示にも注目したい。本展でみせる「心の糸」は、認知症の家族の物語が主題。認知症への理解を深めるきっかけとなる作品だが、「八竹庵」という、もともと生活空間であった会場で、家族の日々やその移ろいを捉えた写真はどのような生を帯びるのか。その点も見どころだ。

画像: 松村和彦 《Heartstrings》 © KYOTO SHIMBUN NEWSPAPER

松村和彦 《Heartstrings》
© KYOTO SHIMBUN NEWSPAPER

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2023
会期:2023年4月15日(土)~5月14日(日)
場所:京都文化博物館 別館、ほか京都市内19か所
時間:会場によって異なる
電話:075-708-7108(KYOTOGRAPHIE事務局)
詳細は公式サイトにて

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